Sufjan Stevens, Bryce Dessner, Nico Muhly & James McAlister/Planetarium

 スフィアン・スティーブンスにThe Nationalのブライス・デスナー、作曲家として知られるニコ・ミューリー、スフィアン・スティーブンス作品にも参加するドラマー、ジェームス・マカリスターによるコラボレーション・アルバム。
 70分を超えるアルバムで、比較的実験色も強いですが、ボーカルがスフィアン・スティーブンスということで、やはり過去のスフィアン・スティーブンスの作品、特に「The Age Of Adz」あたりを思い起こさせますね。


 曲に関してはニコ・ミューリーの色が強く出ているようで、スフィアン・スティーブンスの曲と比べるとミニマルな感じですし、電子音なども多用し、現代音楽っぽくなっています。6曲目の"Mars"あたりなんかはクラシックの曲と言ってもいいような展開と構成ですし、インストの曲もありますし、ロック・ポップスというよりは現代音楽のアルバムと見たほうがいいのかもしれません。
 全体的に「美しい」印象の曲が多く、それがスフィアンの声の美しさと相まって引き立ちます。ただスフィアン・スティーブンスには、美しいだけではなく、ポップに盛り上げていくような曲もあるのですが、そういった曲はあまり見当たらない感じです。16曲目の"Earth"にちょっと「The Age Of Adz」のラストの"Impossible Soul"を思わせる展開がありますが、そのくらいですかね。


 というわけで、スフィアン・スティーブンスのファンでも高く評価する人と、そうでもない人で分かれるでしょう。個人的には「Illinois」が一番好きなアルバムなので、悪くはないがちょっと自分の求めているものとは違うかなという印象のアルバムです。

 


Planetarium
Sufjan Stevens
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