Twenty One Pilots/Trench

 アメリカ・オハイオ出身の二人組バンドの5thアルバム。最近のヒット事情に疎い自分はこのアルバムで初めて知りましたが、前作の4thアルバム「Blurryface」で大ブレイクしているのですね。

 映画『スーサイド・スクワッド』のサントラなどにも楽曲を提供しているとのことです。

 

 まず、冒頭の"Jumpsuit"は重厚なドラムとベースから始まり、かなりヘヴィなイメージを抱かせますが、2曲目の"Levitate"はラップと、印象がめまぐるしく変わるのがこのアルバムの一つの特徴です。

 「重厚なドラムとベース」、「ラップ」といったキーワードからは00年代前半に流行ったミクスチャーなどを想像する人もいるかもしれませんが、そういった特定のジャンルには入らないのが、このTwenty One Pilotsの特徴と言えるでしょう。

 「ラップなのか、歌なのか」という選択も、「何か新しいことをしてやろう」とか「盛り上げてやろう」とかではなく非常に自然に行われている感じで、5曲目の"Chlorine"も一気にラップで疾走すると思いきや、そうはならないという展開です。

 

 ただ、その何でもありな感じが90年代後半〜〜00年代前半くらいのオルタナに通じるところもあって、7曲目の"Neon Gravestones"なんかはその暗さも相まって、オルタナぽさを感じます。

 11曲目の"Bandito"もやや暗めの雰囲気のなかで次々と展開していく曲で、メロディ的にはオルタナを思い出させますが、アレンジがやはり時代の変化を感じさせますね。

 また、全体的にダークな曲が多い中での13曲目の"Legend"のポップさはアルバムのアクセントになっています。

 

 アルバム全体としてはややとっちらかっている印象も受けますが、オルタナがまだ死んでないことを再認識させてくれたアルバムでしたね。

 


twenty one pilots - My Blood (Official Video)