Beirut/Gallipoli

 ザック・コンドン率いるBeirutの5枚目のアルバム。Beirutは個人的には3枚目の「The Rip Tide」が大傑作だと思っていて、それに比べると前作の「No No No」は軽めというか地味というか、悪くないけどあまり引っかかりを感じないアルバムでした。

 それに対して、今作はとりあえず、1曲目の"When I Die"と2曲目の"Gallipoli"のホーンの部分はインパクトがあって期待させます。特に"Gallipoli"は今までにない勇ましさのようなものを感じますね(タイトルもガリポリの戦いから来ているのかな?)。

 

 ただ、その後の中盤はやや地味に聞こえます。Beirutにしては珍しくうるさめの音が入る4曲目の"On Mainau Island"とかありますが、6曲目の"Gauze für Zah"の最後が引き伸ばされているのと、7曲目の"Corfu"が落ち着いたインストの曲ということもあって中盤は地味です。

 もう1回盛り上がってくるのは8曲目の"Landslide"から。この曲も最初は地味なのですがキーボードの音でうまく盛り上げてきます。9曲目の"Family Curse"も出だしは大人しいですが、後半はホーンなどの楽器で盛り上げてきますね。

 

 それでも、全体的にはやや地味かなと。「The Rip Tide」のころにあったエレクトロニカの要素が薄くなっている分、少しアクセントに欠ける気もします。

 個人的には今の感じに、2枚組EPの「March Of The Zapotec / Realpeople Holland」の電子音を前面に出したほうの要素を入れてきてくれると最高なんですが。

 


Beirut - Gallipoli (OFFICIAL AUDIO)