Car Seat Headrest / Making a Door Less Open

 一昨年でたアルバム「Twin Fantasy」が非常に良かったCar Seat Headrestの新作。Car Seat Headrestはシアトルのアーティスト、ウィル・トレドによるプロジェクトで、バンド編成になってからはこれが3枚目になるのだと思います。

 「Twin Fantasy」は10分超えの曲が2曲ともいいという、ロックアルバムではなかなかないことを成し遂げてみせたわけですが、今作は最長が7:34で、それほど長尺の曲はありません。

 

 アルバムは1曲目の"Weightlifters"こそ、ドラムなども凝っていてなかなかいい感じで始まるのですが、正直なところ前半は弱いです。特に悪いわけではないですが、前作にあった非凡な感じはないです。

 ところが、7曲目の"Deadlines (Thoughtful)"からこのアルバムは輝き始めます。4つ打ちのテクノ調の曲でダークな感じながら高揚感があります。9曲目の"Life Worth Missing"はちょっとThe Nationalっぽいですね。というかこの曲だけ聴くとThe Nationalのフォロワーという感じです。ただ、それでもスケール感を感じさせるのが、ウィル・トレドの才能なのではないかと思います。

 ミドルテンポの7分超の曲"There Must Be More than Blood"を挟んで、また、The Nationalっぽさとは違った色気を感じさせる"Famous"で締め。"There Must Be More than Blood"がもっと大きく展開してくれると文句はないんですが、それでも7曲目以降の後半の流れは良いと思います。

 次のアルバムも楽しみです。

 


Car Seat Headrest - "Hollywood" (Official Music Video)