Badly Drawn Boy / Banana Skin Shoes

 Badly Drawn Boy、その名前に懐かしさを感じる人もけっこういるかもしれません。

 U.N.K.L.E.の「Psyence Fiction」にトム・ヨークやリチャード・アシュクロフトらとともにゲストとして参加して"Nursery Rhyme Breather"で鮮烈な印象を残し、2000年の1stアルバム「The Hour Of Bewilderbeast」も傑作で、2ndの「Have You Fed The Fish?」に入っている"You Were Right”は自分の中でも屈指の好きな曲でした。

 そんな大活躍から20年ほど、2009年の「Is There Nothing We Could Do?」から、ほぼ消息を聞いていなかったのですが、突然アルバムが出ることを知り、聴いてみました。

 

 そうしたら、これがよい!

 正直、良いとしてもかなり落ち着いてしまったサウンドなんだろうなと思っていたわけですが、冒頭の"Banana Skin Shoes"はU.N.K.L.E.のメンバーでもあったDJ Shadowを思わせる感じの尖った曲ですし、続く曲も2曲目の"Is This a Dream?"をはじめとして、メロディもよく、なおかつ若々しい。50歳近くになってこんなポップな曲をつくり、歌ってくるとは思いませんでした。

 3曲目の"I Just Wanna Wish You Happiness"も4曲目の"I'm Not Sure What It Is"も7曲目の"I Need Someone to Trust"もいかにもBadly Drawn Boy的なメロディであり、歌いまわしなのですが、昔からのファンからすると嬉しくも懐かしい感じですね。

 そして、しんみりと良いのがラストの"I'll Do My Best"。ちょっとへなちょこな声とバックサウンドが非常に優しげな世界を作り出しています。

 

 完全にもう一戦から消えてしまったアーティストかと思っていましたが、この復活は嬉しいですね。

 


Badly Drawn Boy - Banana Skin Shoes (Official Music Video)