チャットモンチーの橋本絵莉子のソロアルバム。以前にも波多野裕文と組んだ「橋本絵莉子波多野裕文」はありましたけど、こちらは完全なソロアルバム。
「橋本絵莉子波多野裕文」は楽曲が基本的に波多野裕文だったので、チャットモンチーとは違う世界でしたが、こちらは基本的に橋本絵莉子が作曲しているようでチャットモンチーに通じる感じです。
例えば、2曲目の"かえれない"なんかはメロディといい、高音の伸び具合とかチャットモンチーを思い出させます。
ただ、歌詞はやはり以前とはちょっと違っていて、毒舌というのではないけど、けっこうドキッとするようなフレーズもあって、そこが本作の魅力でもあります。
例えば、3曲目の"ロゼメタリック時代"の
「誰ももらってくれんかったら 嫁にもらってあげるな」
世界一
嫌な曲ね
とか、9曲目の「今日がインフィニティ」の
解散はできないように
もうバンドは組まない
とか、聴いててドキッとします。
一方、自分の母親のことを歌った"あ、そ、か"とかはユーモアがあって面白いですし、歌詞は本当にいろいろ。ラストの"特別な関係"もいいと思います。
楽曲的には手拍子とシンプルなギターでウェスタン風に仕上げている7曲目の"脱走"あたりが面白いですね。
確かにチャットモンチー時代よりも落ち着いた感じはあるのですが、歌詞に見られるように、橋本絵莉子的な感性はまだまだ新鮮ですね。