2021年の映画

 毎年書いている記事なので一応今年書きますが、今年はぜんぜん映画を見れておらず、しかも「これ!」といったものもないのでそんなに書く意味はないような内容。

 コロナという要因も大きいのですが、それ以上に会員になっている立川のシネマシティが、TOHOシネマズ立飛ができて以降、いまいちラインナップが揃わなくなってしまって見たいと思った映画を見そびれている事が大きいですね。

 『ラストナイト・イン・ソーホー』とかもシネマシティでやらなかったので、結局このまま見逃しそう。

 というわけで、一応並べてみたという5本。

 

1位 『ノマドランド』

 

 

 好きな映画というわけではないのですが、やはり今年見た映画の中ではもっともよくできていたと思います。

 出だしは現代アメリカ社会の格差や分断を告発する映画なのかとも思うのですが、そうではありません。本作の特徴はフランシス・マクドーマンド以外は1人を除いて実際のノマドが自身の役を演じているということなのですが、その彼らの存在を通して、「自由」や「HOME」というものを問い直すような作品です。

 

 

2位 『花束みたいな恋をした』

 

 

 数々の良質なドラマの脚本を書いてきた坂元裕二によるオリジナル・ストーリーですが、まずはやはり脚本がうまい。とにかくサブカルアイテムの使い方がうますぎるわけで、それだけでサブカル好きには満足できるのですが、「自由」な若い2人の日常が、しだいに「生活」に押しつぶされていくというありがちな話の料理の仕方もうまい。

 基本的に本作は、何かクリエイティブに生きたかった若者2人の夢が破れる悲劇ととれます。しかし、同時にそんな2人が、例えば暴力とか不倫とか、そういった悲劇に陥らなかった物語ともとれるのです。

 

 

3位 『竜とそばかすの姫』

 

 いろいろと脚本の穴もあって批判も多いのだろうけど、個人的にはこの映画のゴージャスさを買いたい。実写を含めて、ここ最近の日本映画の中だと一番ゴージャスな映画と言えるんじゃないでしょうか?

 まず、中村佳穂の歌がいいですし、主人公すずがUの中で変身するベルという〈As〉(アバター)のキャラクターデザインもよい。

 ラストに向けての展開は強引すぎて問題ありですが、仮想空間のUの中ですずの姿で歌うシーンはアニメにおける歌唱シーンの中でも屈指の出来ではないでしょうか。

 

 

4位 『DUNE/デューン 砂の惑星

 

 

 映像はさすがドゥニ・ヴィルヌーヴで言うことはないです。

 砂漠の惑星アラキスの景色、そこで動く巨大なメカ、砂漠に潜むサンドワームの迫力、主人公が最初にいる惑星カラダンの風景、怪しげな敵であるハルコンネン家の面々など、すべてが決まっています。

 この手のSF映画だと、どこかでしょぼかったり無理があったりしてしらけるところがあるものですが、そういってものが全くなくて画作りとしては完璧。

 ストーリーは途中までですし、テンポがいいとは言えないのですが、とにかく画面に圧倒されるような映画ですね。

 

 

5位 『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』

 

 1本の映画としての出来としては、例えば『破』のほうが上ですし、その『破』で「助けてみせる」と言った綾波を助けられたのか? つまり、新劇場版を完璧な形で終わらせることができたのかというとやや疑問も残るわけですが、とにかく、TVシリーズと旧劇場版をひっくるめて「終わらせた」ことに拍手という感じですね。