2019年に「U.F.O.F.」と「Two Hands」いう2枚の良質なアルバムをリリースして一躍脚光を浴びたBig Thiefの新作は20曲1時間20分というボリュームでCDだと2枚組リリース。
もとからメロディは冴えていますし、ボーカルのAdrianneの声もいいのですが、今作では更にサウンドが進化していて、フォークっぽい感じだけではなくさまざまな音が鳴らされています。
2曲目の"Time Escaping"のちょっとエレクトロニカっぽいですし、5曲目の"Dragon New Warm Mountain I Believe in You"は「静」の中にドラマチックさを秘めたような曲です。
7曲目の"Little Things"では粒子感のあるエフェクトのあるギターを聞かせますし、このギターにボーカルの声がきちんと拮抗しているのもよいですね。9曲目の"Flower of Blood"はドラムを強く聞かせながら、それでいて奥行きのある遠くまで響いていくようなサウンドに仕上がってます。
前半だけでこれですから、本当に多彩な感じです。
後半はカントリーっぽい"Red Moon"から始まり、15曲目の"Promise Is a Pendulum"はいかにもBig Thiefっぽい静けさと美しさを感じさせます。
17曲目の"Simulation Swarm"はダウナーな感じの曲調ですが、つんのめっていくようなボーカルが曲に推進力を与えています。つづく"Love Love Love"は一転してやさぐれた感じで、このあたりはAdrianneの表現力が冴えています。
後半の方が今までのBig Thiefに近い感じですかね。
というわけで、非常に良いアルバムだと思いますが、聴きやすさという点を考えると前回と同じように少しタイミングを置いての2枚連続リリースが良かったのではないかと思います。
さすがに1時間20分あると集中して聴けない感じなので、2枚別々にしたほうが楽曲もより印象に残るのではないかと。
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