崎山蒼志 / Face To Time Case

 昨年出た「find fuse in youth」が素晴らしかった崎山蒼志のアルバム。メジャーデビュー後の2ndアルバムということになりますね。

 今作もメロディー的には光るものがあり、また全体的なスケール感もアップしています。

 ただし、そのスケール感のアップがいいことかというとここは意見が分かれるところでしょう。

 

 本作で一番強い印象を残すのが3曲目の"嘘じゃない"、つづく4曲目の石崎ひゅーいと共演した"告白"もいいメロディの曲だと思います。

 この2曲は両方ともストリングスを入れており、それが今までにはなかったスケール感につながっています。

 しかし、これによってグルーヴ感が後退してしまったのも事実で、そのあたりは微妙です。個人的には差し引きでマイナスだったのではないかと思います。ピアノとかバイオリン1挺とかでもよかった気はしますね。

 

 ただ、7曲目の"逆行"あたりはゴテゴテしていなくていいですし、おそらくライブで聴けばすごく盛り上がるのではないかと思います。9曲目の"風来 (extended ver.)"も比較的シンプルなアレンジでいいメロディの曲ですね。

 また、11曲目の"過剰/異常 (with リーガルリリー)"も盛り上がる曲ですが、それをドラムとギターとコーラスで作り上げているところがいいと思います。

 

 全体的には満足できるアルバムなんですけど、メジャーになっていく過程で、どの程度スケール感を追求していくかというのは多くのアーティストが直面する問題であり、バンドだといわゆるスタジアム・ロックみたいになっていくケースもあるわけですが、崎山蒼志には変にスケール感を追求しないで、独特のグルーヴ感を追求していってほしいですね。

 


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