『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

 ようやく見てきましたが、映像はさすがでしたね。海を中心とした大自然が活写されているわけですけど、これを現実にある自然そのものではなくて「つくりもの」として作り上げた力というのはすごいと思います。

 ただ、自分は普通の3Dで見たんですけど、これは完全にIMAX向きなんでしょうね。IMAX未体験なので確たることは言えないですが、海のシーンなどはきっと観客が画面に取り囲まれるような状況を想定しながらつくっている感じなので、やはりこの作品はIMAXに向けてつくられているものなんだと思います。

 

 ストーリー的には、さすがに前作から10年以上経つと前作の内容は完全に忘れていて、主人公のジェイクがアバターとなって最終的にはナヴィー族の一員になるということは覚えていたんですが、敵対する大佐のこととかすっかり忘れていました。

 

 また、表のテーマは「家族愛」かもしれなせんが、一番のテーマは「反捕鯨」じゃないか?というくらい、映画の中でアバターの星(パンドラ)におけるクジラが人間たちに殺されるシーンは惨たらしく描写されています。

 それととともにアバターの世界のクジラはナヴィーとの会話が可能であり、音楽や哲学も理解する高尚な存在として描かれています。

 ちなみに、アバターの世界でのクジラは一部の体液みたいのを採取されてあとは捨てられていましたけど、ここは欧米人がかつてクジラから油をとってあとは捨てていたことに対する言及なのかな?と思いました。

 

 というわけで捕鯨はとっても罪作りな行為なので、映画の中で捕鯨に関わっている人たちは中心的な悪役よりも非業の死を遂げます。

 

 あと、「ウェイ・オブ・ウォーター」とタイトルにあるように、途中では自然との調和やスピリチュアルな考えが押し出されているのですが、最終的には「父は家族を守るもの」というマッチョイズムに収斂する展開というのもどうかとは思いました。

 

 でも、この作品はそういったストーリーを求めるような映画ではなく、映像を体験しにいく映画ということなのだと思います。