評判悪いですが見てきました。
まず、今の日本でこんなにリッチな画をつくれる映画監督は細田守しかいないし、スカーレットのキャラも日本のアニメ映画にはない華があっていい。
おそらく最初の荒野のシーンはドゥニ・ヴィルヌーヴの『DUNE/砂の惑星』を参考にしているんでしょうけど、ヴィルヌーヴに負けない迫力で見せます。
CGを使った大軍の戦闘シーンとかも今までの日本のアニメにはない迫力ですし、予算をかけたCGも見どころです。「いい画が見れたな」という満足感はあります。
ただ、やはりストーリーや設定には難がある。
『竜とそばかすの姫』もストーリー的にはやや苦しい部分がありましたが、それをベル(すず)の歌でカバーしていました。本作ではそれを聖とスカーレットのダンスシーンが担わなきゃいけないんだけど、ここが空振り。
聖にまつわる部分は全体的にうまくいっていないですね。映画の舞台となる「死者の世界」では、ダンスが下手なのですが、聖が生きていた「現代世界」のシーンではダンスが上手いです。彼はダンスが上手いんでしょうか?下手なのでしょうか?
また、聖の歌がスカーレットにもう1つの世界を幻視させるわけですが、それならばもっと歌に力がないと説得力が出ないです。ここでこの映画の1つの肝だと考えるならば、聖に声には岡田将生ではなくて歌手を使うべきだったと思います(エンディングも芦田愛菜ではなくて本職の歌手に歌わせたほうがよかった)。
聖が刺されるシーンも非常に不自然ですし(犯人は血のついた刃物を持っているのに誰もパニックになっていない)、聖の設定が詰めれられていないです。
最後も『もののけ姫』と『ONEPIECE』(+『カイジ』の鉄骨わたり(あの階段))が混ざったような感じで、画としては非常にリッチで美しいんですだけど、それを支えるストーリー的な積み重ねとセリフは弱いです。
仇であるクローディアスについても人物が詰められているとは言えず、役所広司の声だけがその存在を支えている感じです。
ただし、最初にも述べたように画は非常にいいです。
映画に何を求めるかは人それぞれですが、「画を見たい」という人であれば映画館の大きなスクリーンで見る価値は十分にありますし、個人的に映画館で見てよかったと思います。