面白かったですし、やはり画がいいですね。
ディメンタスが最初にタンクローリーを襲撃するシーンをロングショットで見せるところとかは最高ですね。
それ以外にも砂漠の風景を活かしたロングショットがバシバシ決まっていて、やはりジョージ・ミラーはいい画を撮るなと改めて思いました。
ストーリーとしては『怒りのデスロード』の前日譚で、『デスロード』のフュリオサがいかにして生まれたかという話になります。
映画が各章に分かれており、全体の構成としては叙事詩っぽいつくりにもなっているのです、例えば完全に叙事詩という趣のある『DUNE 砂の惑星』と比べる圧倒的なスピード感があります。
これはもちろん、疾走する車やバイクのシーンが多いということもありますが、タンクローリーをバイクで引っ張るパラグライダーで襲撃するとかのケレン味がてんこ盛りなとこが要因なんでしょう。
『怒りのデスロード』に引き続いてウォーボーイズも登場しますし、B級っぽいところはしっかりと残っています。
芸術的なショットとB級さがちゃんと同居しているのが、ジョージ・ミラーのすごいところですね。
ストーリーとしては、前作はひたすらアクション→アクション→アクションで引っ張ったのに対して、こちらはフュリオサの過去を説明しなけれなならないという制約があるので、『怒りのデスロード』よりは説明的ですが、それでも例えばジャックとの関係の見せ方は変に引っ張るところがなくていいと思います。
最後はあえて復讐のカタルシスを手放しで感じさせない流れになっており、このあたりは切れが悪いとも言えますが、ここ最近の国際情勢などを見ると、「復讐だから正当化される」とは言い難い状況なので、これが今風の決着の付け方なのかと思います。
あと、フュリオサを演じたアニャ・テイラー=ジョイも子役のアリーラ・ブラウンも両方良かったですね。