社会学

 佐藤卓己『ファシスト的公共性』

『言論統制』(中公新書)、『八月十五日の神話』(ちくま新書)などの著作で知られる著者が1993年から2015年までに発表した論文を集めたもの。 著者が一貫して追求してきた「ファシスト的公共性」というものを、「ドイツ新聞学」、「宣伝」、「ラジオなどの…

 山口一男『働き方の男女不平等』

シカゴ大学の社会学の教授であり、RIETIの客員研究員でもある著者が、日本の働き方における男女不平等に切り込んだ本。 計量分析をバリバリに活用した本で、ここで用いられている手法の解説やその是非についてはよくわからないところもあるのですが、さまざ…

 玄田有史編『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』

失業率は2%台に下がり(2017年4月で2.8%)、有効求人倍率も上がり、「バブル以来の人手不足」などという声もあがっていますが、それに反して賃金が上がっているという実感はないですし、実質賃金は上がっているどころか、むしろ低下の傾向も見られます。 こ…

 北田暁大+解体研『社会にとって趣味とは何か』

まだ、できた当初のゲンロンカフェに「社会学と現代思想―その微妙な関係」という北田暁大の講演を聞きに行ったのが2013年。そのときのアフターのトークで「宮台真司の『サブカルチャー神話解体』の現在版みたいな調査と分析をやっている」という話を聞いたの…

 エスピン=アンデルセン『平等と効率の福祉革命』

『福祉資本主義の三つの世界』で現代の福祉国家における複数の均衡を鮮やかに示してみせた著者が、女性の社会進出を一種の「革命」と捉えた上で、そこで生じる問題点や、あるべき社会のデザインを語った本。 女性の社会進出を進め、そこから生じる問題をクリ…

 有田伸『就業機会と報酬格差の社会学』

日本では正規雇用と非正規雇用の格差が問題になっており、いたるところで非正規雇用の境遇の悲惨さや、正規雇用との格差の理不尽さなどが語られています。そして、そうした声に応えるため、現在の安倍政権も「同一労働同一賃金」の掲げることなどによってこ…

 松田茂樹『少子化論』

少子化問題にまつわる最近のトピックとしては、なんといっても「保育園不足」「待機児童問題」といったことが目につきますが、保育園が整備されて待機児童がいなくなれば出生率は向上するのでしょうか? この『少子化論』では、育休制度の充実や保育園の整備…

 杉田真衣『高卒女性の12年』

高校3年から30歳まで、4人の語りから浮かび上がる、ノンエリート女性たちの労働と生活の実態。その生きづらい現実と実感をまるごと受けとめる。 これがこの本の帯に書かれている文句ですが、この本のウリはなんといっても「高校3年から30歳まで」の12年間に…

 松木洋人『子育て支援の社会学』

「子育て支援の社会学」というタイトルから、現在の日本の子育て支援の問題点やそれに対する新しい取り組みなどについて分析した本かと思う人も多いでしょう。 しかし、この本はそういった本ではありません。確かに「保育ママ」や「子育てひろば」など、近年…