教育

西川賢『社会科学研究者のためのデジタル研究ツール活用術』

著者の西川先生よりご恵贈いただきました。どうもありがとうございます。 本書は研究者のためのライフハック術を教えてくれる本で、「本書が想定している読者はどういった方々かというと、それはずばり、若手研究者、そして研究者を志望するポスドク・院生・…

ジェレミー・ブレーデン/ロジャー・グッドマン『日本の私立大学はなぜ生き残るのか』

なんとも興味を引くタイトルの本ですが、実際に非常に面白いです。 2010年前後、日本では大学の「2018年問題」が新聞や雑誌を賑わせていました。これは2018年頃から日本の18歳人口が大きく減少し始め、それに伴って多くの私立大学が潰れるだろうという予想で…

ジェフリー・ヘニグ『アメリカ教育例外主義の終焉』

タイトルからはなかなか内容が見えてこない本で、かなりマニアック内容ではないかと想像させますが、意外に日本の教育をめぐる政治を考える時に役に立つ本です。 アメリカでは、教育は伝統的に学区によって運営されてきました。学区は公選の教育委員会などに…

田野大輔『ファシズムの教室』

長年、大学で「ファシズムの体験授業」を行っていた著者による授業実践の記録になります。履修している学生たちに、白いシャツを着せ、「ハイル、タノ!」と叫ばせ、キャンパスにいるリア充(サクラ)を糾弾するというユニークでインパクトのある授業はWeb記…

青木栄一編著『文部科学省の解剖』

一部の人にとっては興味をそそるタイトルでしょうが、さらに執筆者に『現代日本の官僚制』、『日本の地方政府』の曽我謙悟、『政令指定都市』の北村亘、『戦後行政の構造とディレンマ』の手塚洋輔と豪華なメンツが揃っており、精緻な分析が披露されています…

 中室牧子『「学力」の経済学』

教育というのは日本人の誰もが受けるものです。ですから、会社経営者やアスリート、文学者、大学教授としての経験をもった人は少ないですが、教育を受けた経験のない人というのはほとんどいません。そして、誰もが自分の受けた教育に関して、「あれは良かっ…

 ジェームズ・J・ヘックマン『幼児教育の経済学』

ノーベル経済学賞受賞者のヘックマンが、就学前の教育効果が非常に高いことを実証的に示してみせた本。 「本」と書きましたが、実際に中心になっているのは40pほどの論文で、それに対する10人の学者のコメントとそれに対するヘックマンのリプライ、さらに日…

 教員のうつ病について

昨日の産経のニュースから。 http://sankei.jp.msn.com/life/education/091106/edc0911060046000-n1.htm 鬱病休職の教職員に年間60億円の給与を支給 都教委が対策に本腰 2009.11.6 00:44 東京都の公立学校教職員のうち、精神系疾患で病気休暇を取得したり…

 学校への携帯持ち込み問題はアーキテクチャでなんとかするしかないでしょ。

去年から騒がれている学校への携帯電話の持ち込み問題ですが、今日もそれに関するニュースがありました。http://news.ameba.jp/domestic/2009/01/30647.html 5割超の女子中高生 学校への携帯持ち込み禁止に反対 P−NESTリサーチ調べで、女子中高生の5割以上が…

 日本の大学についてのメモ

今、本田由紀の『「家庭教育」の隘路』を読んでいるんだけど、そこで2人の母親が語る大学についての発言が興味深い。ちなみに前者が大卒、後者は高卒のお母さんです。 大学を出なければ、将来生活ができないっていうことはないと思うんですが、そういう期間…

 素晴らしき日本の若者と教育

ちょっと前に長谷川真理子が言っていた「日本の若者は世界一人を殺さない」という話。今日の読売新聞の「進化論とあなた」という連載にちょっと詳しいデータが載っていました。 若い男性が殺人を引き起こしやすいことは、犯罪学の常識だった。進化論でも、若…

 文化って何?→ジジェクの答え

学習指導要領の改定案の要旨が出ましたけど、自分が関係する中学の社会科だと公民の内容が微妙。 http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2008021501000623_Detail.html 【社会】 〈地理的分野〉世界の諸地域の特色について主題を設け追究。日本の諸地域に…

 日本史必修化の流れ

神奈川県の日本史必修化の動き http://www.asahi.com/national/update/0214/TKY200802140260.html 高校で日本史A・Bなど必修に 神奈川県教委が方針2008年02月14日17時59分 神奈川県教育委員会は14日、全県立高校で、「日本史A」「日本史B」、県が独自…

 進路としての法曹

http://www.asahi.com/national/update/0124/TKY200801240483.html 司法試験「年3千人」見直し 法務省、合格者減も選択肢2008年01月25日03時04分 法務省は、司法試験合格者を2010年までに年間3000人にし、その後も増やすことを検討するという政府の…

 中国の子どもたちに見る中国社会と日本社会

この前の日曜にNHKで2本のドキュメンタリーがやってた。 1本目は「激流中国」シリーズの「5年1組 小皇帝の涙」。 出だしからかなり強烈で、子どもたちがみんなにそれぞれの夢を言うシーンで成績の悪い子が「医者になりたい」って言ったら、先生がすかさ…

中教審「審議のまとめ」についてのメモ

いろいろと各社がとり上げていますが、西日本新聞の次の記事が一番網羅的にでているみたい。 http://qnet.nishinippon.co.jp/entertainment/showbiz/20071030/20071030_006.shtml 審議まとめ要旨 中教審 中教審が大筋で了承した「審議のまとめ」の主な内容は…

 教員免許更新制という儀式

以前(http://d.hatena.ne.jp/morningrain/20070225)とりあげた教員免許更新制ですけど、だんだんとその骨格が固まってきたみたい。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071003-00000944-san-soci 先生も5段階評価 教員免許更新制で10月3日20時29分配信 …

 石戸教嗣『リスクとしての教育』読了

石戸教嗣『リスクとしての教育』を読了。 石戸教嗣は、もう10年近く前に読んだ門脇厚司・宮台真司編の『異界を生きる少年少女』に入っていた「教育システムのメディアとしての子ども」という論文が素晴らしくてずっと注目していた人物。 単行本として読ん…