『デューン 砂の惑星PART2』

 映像、音ともに隙のない映画。さすがドゥニ・ビルヌーブという感じですね。

 前作に引き続き、砂の惑星やサンドワームの描き方はいいですし、ハルコネン家の兵士たちが崖の上へと浮き上がるように移動する動きとか、ハルコネン家のファシズム的な祭典のときに打ち上がる花火的なものとか、「おおっ!」となる映像がいろいろあります。

 

 ストーリーとしては、けっこう前作の内容を忘れてしまっているところもあり、ベネ・ゲゼリットの設定とか忘れていた部分もありましたけど、見ていくうちにだんだんと思い出していくので、特に前作を復習してからじゃないというものでもないでしょう。

 

 基本的には、救世主に祭り上げられようとする主人公が、あえて救世主を演じて敵を打ち破るという話ですが、ティモシー・シャラメがやるので説得力がでますね。「ひょっとしてこいつは?」と思わせるような魅力がある。 

 『レディ・バード』で見たときから、特別な存在感があると思っていましたが、今回の役もぴったりですね。

 

 主人公が自然と共生している人々の間に入り込んで仲間として認められてともに戦うというストーリーは、『アバター』とも同じですが、主人公や周囲の登場人物はより陰影に富んでいて魅力的です。

 

 最後の襲撃シーンに関しては、「相手に打ち込んだミサイルは核なのか?それならそこに突っ込んでいくのは核を甘く見過ぎでは?」とは思いましたが、ドゥニ・ビルヌーブの構築した異世界に没入できる映画ですね。