司法

須網隆夫編『平成司法改革の研究』

90年〜00年代にかけて日本ではさまざまな改革が行われました。小選挙区比例代表並立制が導入され、1府12省庁制となり、地方自治では三位一体の改革が行われました。それが良かった悪かったかはともかく、これらの改革が日本の社会に大きな変化を与えたという…

宍戸常寿・大屋雄裕・小塚荘一郎・佐藤一郎編著『AIと社会と法』

宍戸常寿・大屋雄裕・小塚荘一郎・佐藤一郎の4人が、有斐閣の『論究ジュリスト』誌上で行った研究会の様子をまとめた本になります。法学者の宍戸、大屋、小塚と工学者の佐藤の4人がコアメンバーとなり、1回につき2人のゲストスピーカーを迎えながら、AIがも…

駒村圭吾・待鳥聡史編『統治のデザイン』

憲法というと、どうしても日本では9条と人権をめぐる条項に注目が集まりがちですが、国会、内閣、裁判所、地方自治といった日本の統治のしくみを決めているのも憲法です。 ケネス・盛・マッケルウェインは日本国憲法が他国の憲法に比べて条文数も文字数も少…

 実名以前の問題? 光市母子殺害事件の実名本

光市の母子殺害事件の犯行当時18歳だった少年の実名を記した本が出版され、話題を呼んでいるようです。 朝日新聞の「光母子殺害実名本「安易に一線越えた」作家ら疑問の声も」という記事の2ページ目には以下のようなコメントが寄せられています。 http://ww…

 裁判傍聴で聞いた、あるスリランカ人の言葉

今日は生徒を連れて、立川の裁判所に裁判の傍聴に行ってきました。 見た事件の一つが不法滞在の44歳のスリランカ人男性に対する出入国及び難民認定法違反の事件で、シンハラ語の通訳がつくという裁判でした。 通訳のせいか、被告が質問されても答えないこと…

 72歳に懲役15年

初めての裁判員制度の裁判が終りましたが、懲役16年の求刑に対して15年は、「量刑は求刑の8割」という標準からすると少し重い感じですかね。被害者遺族の存在にやや引っ張られる面がこれからもありそうです。 ただ、冷静に考えれば72歳に懲役15年、満期で出…

 被害者理解プログラムの陥穽

別ブログ(汝の隣人のブログを愛せよ | LOVELOG)でも紹介したのですが、非常に重要で興味深い知見だと思われるので、メモ代わりにここにも書いておきます。 実証主義犯罪学が、最近発見したものの一つに、被害者の心情を理解させるプログラムが再犯を促進す…

 被害者参加制度にある被害者を加害者に縛り付ける危険性

このブログでは何回か被害者参加制度に疑問を呈してきました。 ダニエル・H・フット『名もない顔もない裁判所』と被害者参加制度 - 西東京日記 IN はてな 冤罪と被害者参加制度 - 西東京日記 IN はてな 残念ながら被害者参加制度はスタートしてしまった…

 裁判員制度で、けっこう揉めそうな「殺意」という考え

いよいよ来年から裁判員制度が始まるということで、高校生に授業で裁判員制度のDVDを見せたりすることがあります。 僕が一番よく見せるのは裁判所がつくった「評議」というDVDです。 内容は以下のリンクで知ることができますし、ネットでも視聴できるようで…

 裁判員制度について検察で聞いてきたこと

裁判員制度の教員向け研修で検察の人の話を聞く機会があったんだけど、そこで聞いた話を少し。 まず、裁判員制度導入の目的なんだけど、1つ目は「事前救済型システム」から「事後救済型システム」への転換の中でで司法の役割増大が見込まれていて、それには…

 ダニエル・H・フット『名もない顔もない裁判所』と被害者参加制度

裁判への被害者参加制度については以前(http://d.hatena.ne.jp/morningrain/20070909)にも疑問を呈したことがあるんですけど、このダニエル・H・フット『名もない顔もない裁判所』にも被害者参加制度の問題点、そしてそれが裁判員制度とほぼ同じ時期に導入…

 死刑神話の終わり

昨日は外に出ていたため秋葉原の無差別殺傷事件の詳しい報道を見ることができなかったのですが、今日、新聞やニュース、ネットなどを見て思ったのは、完全に死刑の抑止力の意味がなくなったということ。 今年の3月に起きた土浦の連続殺傷事件でも犯人は「死…

 無罪率が上昇!

あんまりと言うかほとんど話題になっていませんが、起訴されたら99%が有罪と言われていた日本の司法にも少し変化が出てきたみたいで。http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/26301?c=110 否認被告の無罪率2・9% 昨年、過去10年最高に 2008年6月2日 18…

 ある中国人法学者の死刑廃止論

次に紹介するのは中国出身の一橋大学教授・王雲海の『日本の刑罰は重いか軽いか』(集英社)の「おわりに」に書かれている文章。 今の日本では、死刑存置論者と死刑廃止論者が激しい論争を繰り広げている。死刑存置論者による死刑廃止論者への反論によく使わ…

 光市母子殺害事件、司法を破壊する「反省」

最高裁で差し戻しがなされた時点で当然予定された判決ではありますが、光市の母子殺害で犯人の少年に死刑判決が下されました。 http://www.asahi.com/national/update/0422/OSK200804220010.html 光母子殺害、元少年に死刑判決 広島高裁差し戻し控訴審 山口…

 橋本祐子『リバタリアニズムと最小福祉国家』と損害賠償一元論

橋本祐子『リバタリアニズムと最小福祉国家』を読了。 ハイエクの自由主義をリバタリアニズムの一つの種類に分類してしまっている所とか、リバタリアニズム的な最小福祉国家の基礎付けに「プロジェクト追求者としての権利」という考えを持ち出してくるのはど…

 進路としての法曹

http://www.asahi.com/national/update/0124/TKY200801240483.html 司法試験「年3千人」見直し 法務省、合格者減も選択肢2008年01月25日03時04分 法務省は、司法試験合格者を2010年までに年間3000人にし、その後も増やすことを検討するという政府の…

 久々に見たよい社説

落合弁護士のブログ経由で知りましたが、昨日の北海道新聞の社説は非常によい社説。http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/59891.html 再犯の防止 厳罰化より就労対策を(11月11日) 刑法犯の認知件数がピークの二○○二年から四年連続して減った。…

 鳩山法相、死刑発言について

http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY200709250116.html 「死刑執行、自動的に進むべき」 鳩山法相が提言2007年09月25日11時41分 死刑執行命令書に法相が署名する現在の死刑執行の仕組みについて、鳩山法相は25日午前の記者会見で「大臣が判子を…