72歳に懲役15年

 初めての裁判員制度の裁判が終りましたが、懲役16年の求刑に対して15年は、「量刑は求刑の8割」という標準からすると少し重い感じですかね。被害者遺族の存在にやや引っ張られる面がこれからもありそうです。
 ただ、冷静に考えれば72歳に懲役15年、満期で出てくれば87歳。おそらく被告は刑務所内で死亡ですよね。
 浜井浩一芹沢一也『犯罪不安社会』(光文社新書)によれば、刑務所では高齢化が大きな問題となっていて、刑務所内で死亡した受刑者は1993年に比べて2002年の時点で3倍近くに増えているそうです。
 別に高齢者だから刑を軽くしろというわけではありませんが、高齢者の犯罪が増えて厳罰傾向が続けば、刑務所というのは「更生施設」というのとはまた違った存在になりそうですよね。
 だんだんと現代の「姥捨て山」となっていきそう…。


犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書)
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