映画

『海獣の子供』

五十嵐大介の長編漫画を、松本大洋の『鉄コン筋クリート』などを手がけたSTUDIO 4℃が映画化したもの。 まず、とにかくアニメとしての表現は素晴らしい! 五十嵐大介の線が多くて動かしにくそうなキャラクターを見事に動かしているし、前半に見られるこった構…

『ROMA/ローマ』

『セロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン監督作品にして、Netflix製作ながら、アカデミー賞の監督賞を受賞した映画。アップリンクの渋谷でやっていると知り、ようやく見てきました。 まず冒頭から特筆すべきなのは撮影の上手さ。『ゼロ・グラビティ…

『バイス』

ブッシュ(子)政権で副大統領を務め、イラク戦争を主導したとも言われるディック・チェイニーを描いた映画。監督は『マネー・ショート』のアダム・マッケイで、チェイニーを演じるのがクリスチャン・ベール、ラムズフェルド役にスティーヴ・カレルと『マネ…

『グリーンブック』

今年のアカデミー賞作品賞受賞作品。生まれも育ちも違う2人が絆を深めるロードームビーのバディものという典型的な作劇なのですが、脚本が非常に良く出来ていて、ストーリー的には予定調和であっても最後まで楽しめます。 ヴィゴ・モーテンセンとマハーシャ…

『運び屋』

毎回水準以上のクリント・イーストウッドの作品ですが、これは良かった! クリント・イーストウッドが、実在した90歳の麻薬の運び屋をモデルにし、自ら主演した映画ということで、主人公は『ミリオンダラー・ベイビー』や『グラン・トリノ』の主役に通じるよ…

『アリータ: バトル・エンジェル』

今日見てきましたが、なかなか面白かったです。原作は未読なので、原作のファンがどう感じるかはわかりませんが、SFアクションとして楽しめる映画です。 まずは監督にロバート・ロドリゲスを起用したのが当たりでしょう。ロバート・ロドリゲスは切れのあるア…

『ファースト・マン』

『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルが再びライアン・ゴズリングとタッグを組んで、初めて月面に降り立ったニール・アームストロングのそこにいたる軌跡を描いた映画。 宇宙飛行士を描いた映画というと『ライトスタッフ』が思い起こされますが、あの映…

『フロント・ランナー』

1988年の大統領選で民主党の有力候補でありながらスキャンダルで失速したゲイリー・ハートを描いた映画で、ハートをヒュー・ジャックマンが演じています。 ハートは若く、見た目も良くて、レーガンに連敗していた民主党にとっても救世主的な候補でしたが、本…

2018年の映画

今年も立川のシネマシティ以外で見たのは1本のみ。『カメラを止めるな』も見ようと思いつつ、立川のシネマシティでやらなかったので結局見なかったという無精な状態でしたが、よかった映画を5本あげたいと思います。 1位 『レディ・バード』 傑作かと問われ…

『ボヘミアン・ラプソディー』

現在大ヒット中の、イギリスのバンド・クイーンを描いた映画。 バンドを描いた映画というと、だいたい才能を秘めた冴えない若者が出会って成功→成功に溺れて乱痴気騒ぎの中で自分を見失う→仲間割れ→復活、といった展開をたどるのですが、この映画もそう。展…

 『泣き虫しょったんの奇跡』

基本的に地味な映画なのですが、キャストがびっくりするほど豪華。主演の松田龍平、幼なじみかつライバルをRADWIMPSの野田洋次郎というのはともかくとして、松たか子に小林薫に、先日のNHKスペシャル「未解決事件」の国松長官狙撃事件の回で熱演を見せた國村…

 『ちいさな英雄』

スタジオポノック制作の短編映画3本をまとめたもの。「ポノック短編劇場」の1作目と銘打っているので、今後も制作していくつもりだったのかもしれないけど、休みだった一昨日の午前中に見に行ったら観客は僕を含めて6人。厳しい…。 それぞれの短編は丁寧つく…

 『未来のミライ』と『となりのトトロ』

この前の木曜に『未来のミライ』を見てきました。前評判はあまり良くなかったですが、面白く見ることができました。細田作品の中ならば『バケモノの子』よりも楽しめましたし、個人的には『サマーウォーズ』よりも好きです(『時をかける少女』と『おおかみ…

 『スターリンの葬送狂騒曲』

スターリンの死を題材にしたコメディ映画。イギリスとフランスの合作で、いかにもイギリス的なブラックな笑いに満ちた映画なのですが、素直に「楽しかった!」と言っていいのか、やや引っかかる映画でもあります。 スターリンが倒れた後、フルシチョフ、ベリ…

 『万引き家族』

是枝作品はいつもラストをどこで切るのかということを考えながら見ているのですが、今回はやや「重い」感じで切ってきましたね。『誰も知らない』は最後にややファンタジーっぽく切ったことで陰惨な内容がやや軽くなるのですが、今回は重いまま観客に投げて…

 『レディ・バード』

先日、『ウィンストン・チャーチル』を見て、同じジョー・ライト監督の『つぐない』を思い出して、そういえば『つぐない』で素晴らし存在感を見せていたシアーシャ・ローナンはどうしてるんだろ? と思っていたら、主演の映画が公開されるというので、この『…

 『タクシー運転手 約束は海を越えて』

1980年5月に、韓国・全羅南道の光州市を中心として起きた民衆蜂起である光州事件を、それを伝えようとしたドイツ人記者と、その記者を乗せて戒厳下の光州市まで運んだタクシー運転手を描いた作品。実話をもとにした作品ですけど、後半はフィクションも入って…

 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

原題は「The Post」。スティーブン・スピルバーグの監督作品でベトナム戦争に関する最高機密文書を当時のニクソン政権の圧力に逆らって報道したワシントン・ポストの話になります。 最初のスクープはニューヨーク・タイムズのもので、ワシントン・ポストは後…

 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

原題は「Darkest Hour」、日本でのタイトルだとチャーチルの評伝のようですが、チャーチルの首相就任からダンケルクの撤退戦を成功に導くまでのきわめて短い期間を描いた映画になります(ドキュメンタリータッチで描いているけど、時系列などはややいじって…

 『シェイプ・オブ・ウォーター』

今年のアカデミー賞受賞作ですが、立川では早くも夜のみの上映となってます。今日は「西郷どん」のレギュラー放送がないということで見に行ってきました。 『シェイプ・オブ・ウォーター』の最初の感想は「これがアカデミー賞なのか」。これは別につまらない…

 『15時17分、パリ行き』

2015年8月21日、オランダのアムステルダムからフランスのパリへ向かう高速列車タリスの中で、銃で武装したイスラム過激派の男が無差別殺傷を試みる。しかし、その列車にたまたま乗り合わせていた米空軍兵のスペンサー・ストーンとオレゴン州兵のアレク・スカ…

 『デトロイト』

『ハート・ロッカー』や『ゼロ・ダーク・サーティ』のキャスリン・ビグローの新作は、1967年に起きたデトロイト暴動におけるアルジェ・モーテルでの事件を描いた実話を元にした作品。 Yahoo!のページに載っているあらすじは以下の通り。 1967年の夏、アメリ…

 2017年の映画

今年も映画を見たのはほぼ立川のシネマシティ。というわけで「2017年の映画」というよりも、「2017年に立川のシネマシティでやっていた映画」というタイトルのほうがふさわしいかもしれませんが、とりあえず今年の5本を。1位 『ダンケルク』ダンケルク ブル…

 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

はじめに断っておくと、スター・ウォーズ・シリーズについては旧三部作(エピソード4・5・6)は面白く見ましたけど(4・5はテレビ、6は劇場)、そんなにシリーズに強い思い入れはないです。 そのせいもあるのかもしれませんが、「今までのスター・ウォーズ・…

 『ブレードランナー2049』

今なお、SF映画に大きな影響を与え続けている『ブレードランナー』。特にテクノロジーと東アジア的な猥雑さをミックスした近未来描写は、例えば最近の『ゴースト・イン・ザシェル』なんかも基本的には『ブレードランナー』の世界を継承していました。 そんな…

 『三度目の殺人』

是枝裕和監督の法廷サスペンス。 福山雅治演じる弁護士の重盛は、友人の弁護士から強盗殺人犯・三隅(役所広司)の弁護を頼まれる。三隅には過去に強盗殺人で2人殺した前科があり、自白もしているのでこのままだと死刑は濃厚。そこで法廷戦術に優れる重盛に…

 『ダンケルク』

映画の冒頭、主人公はダンケルクの町で敵の襲撃を受け、なんとか味方の陣地まで辿りついて撤退が行われる砂浜へと向かう。 するとそこには一面の白い砂と撤退の船に乗るために列をなす兵士たちの黒い線が並んでいる。 自分たちを乗せてくれる船をひたすら待…

 『ベイビー・ドライバー』

サングラスを掛けた4人組が銀行の近くに車を乗り付け、一番若い男を残して3人は銀行へ。音楽を聴きながら落ち着きなく車を動かしている若い男(ベイビー)は、3人が強盗から戻ってくるとものすごい勢いで車を発進させ、音楽に乗りながら超絶テクでパトカーを…

 『メアリと魔女の花』

あまり良い評判を聞いていないので期待しないで見に行きましたが、そんなに悪くないじゃないですか。少なくとも『ゲド戦記』とか『猫の恩返し』よりも全然いいですし、後述するように「ある点」を除けば、『魔女の宅急便』や『ハウルの動く城』と同じくらい…

 『ハクソー・リッジ』

沖縄戦の前田高地(ハクソー・リッジ)の戦いに参加した良心的兵役拒否者で銃を持たない衛生兵デズモンド・ドスの活躍をメル・ギブソン監督が描いた映画。 メル・ギブソンといえば、監督としては『パッション』や『ブレイブ・ハート』を撮っており、残酷さの…