2015年の映画

 今年は引っ越しの関係で府中のTOHOシネマズから足が遠のき、代わりに立川のシネマシティの会員になって、ほぼ立川で映画見てました。
 まあ、相変わらず本数見れてなくて、特に秋は全然見れていないのですが、そんな中から5本選んでおきます。


1位 『マッドマックス 怒りのデス・ロード

B013UO2PPKマッドマックス 怒りのデス・ロード ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント 2015-10-21

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 熱烈推し!というわけではないのですが、B級テイストと「高尚」といっていいような美しい画のつくりが同居している稀有な作品だったと思います。
 さらに、アクション映画としての出来も素晴らしかったですし、アクション、アクション、またアクションという感じで、登場人物の内面をことさら描こうとしないのに浮かび上がるキャラクターの魅力など、まさに「映画ならでは」の楽しみを与えてくれた映画でした。


2位 『アメリカン・スナイパー

B00VX9831Aアメリカン・スナイパー ブルーレイ&DVDセット (初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント 2015-07-08

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 いわゆる「戦争のヒーロー」を描いたものでもあるのですが、そこはイーストウッド。「伝説」の存在となっていくとともに、徐々に「普通の人間らしさ」を失っていく様子が非常にうまく描かれています。
 『父親たちの星条旗』では、硫黄島での激戦から本国での英雄扱いという激しい落差の中での兵士たちの苦悩が描かれていたのですが、この『アメリカン・スナイパー』では、戦争と日常の往復の中で、ゆっくりと主人公が蝕まれていきます。
 この主人公の苦悩を、変に主人公を貶めることなくやってみせるのがイーストウッドの腕。去年は『ジャージー・ボーイズ』を1位にあげましたし、まあ、イーストウッドの映画の撮り方が好きなんですね。


3位 『6才のボクが、大人になるまで。

B0183GO9O06才のボクが、大人になるまで。 [Blu-ray]
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン 2016-02-03

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 「去年の映画だろ」という声が聞こえてきそうですが、見たのが今年で劇場で見たので許してください。
 男の子が6才から18才になるまでの12年間を追った話ということで、もっとドキュメンタリーのようなものを想像していました、子どもだけではなく長い時間の中での親の変化も描いたいい映画でした。
 主人公の子どもの描き方についてはやや陳腐さも感じましたが、それを補ってあまりある12年間でいろいろな変化と苦労を経験する親のドラマが魅力的で、「親」の立場になった自分には響きました。


4位 『イミテーション・ゲーム

B00ZE86NE0イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 コレクターズ・エディション[初回限定生産]アウタースリーブ付 [Blu-ray]
ギャガ 2015-10-02

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 第2次世界対戦において、不可能と呼ばれたドイツのエニグマ暗号の解読に成功したアラン・チューリングを描いた作品。実話をもとにした映画で、まあいろいろと脚色は加えているんでしょうが、「秘密」という概念の使い方や、時系列の並べ替えとかも非常に上手くハマっている非常に良い脚本です。
 主演のベネディクト・カンバーバッチの演技もうまく、カンバーバッチ演じるアラン・チューリングはあまりにもゲイっぽくて、カンバーバッチ自身もゲイっぽく見えてきたくらいですが、去年婚約したらしいですし、そういうわけじゃないのか?


5位 『野火』

4904827325塚本晋也×野火
塚本 晋也
游学社 2015-07-11

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 DVDはまだみたいなので、リンク先は関連書籍で。
 大岡昇平の原作を塚本晋也が監督した自主制作の映画で、決してスケール感があったりする映画ではないのですが、「悲劇」というレベルでは語れない場所まで踏み込んでみせた映画です。
 多くの映画は戦争を「悲劇」として描いているわけですが、「悲劇」が厄介なのはそこにロマンチシズムや、ある種の「美しさ」が宿ってしまう点。その点、この『野火』で描かれるのは飢えに支配された「地獄」のみが描かれています。
 また、ブランキー・ジェット・シティのファンとしては中村達也の好演もうれしいところ。


 次点は『海街diary』。鎌倉の描写も含めて、やや「きれいすぎる」ところはありますが、非常に丁寧につくられていたと思います。