今年は子どもが生まれたこともあって、音楽を聞く時間が激減。というわけで、10枚選ぶほどの枚数を聴いていない感じなのですが、まあ、毎年恒例なので頑張って10枚選びました。
1位 スピッツ/小さな生き物
小さな生き物 【期間限定盤】(SHM-CD + DVD) スピッツ ユニバーサルJ 2013-09-10 売り上げランキング : 2384 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
今年は「これ!」という1枚がないのですけど、終わってみれば一番良く聴いたのが、このスピッツの久々のアルバムではないかと。
スピッツは「フェイクファー」、「ハヤブサ」が好きで、それ以降はまあまあといった感じだったのですが、久々に「バンド」を感じさせるアルバムだったと思います。また、日本の音楽会が東日本大震災に対して、チャリティで行くか、なんとなくをスルーするかの二択のようになっている状況で、震災について正面から向き合ったアルバムでもあります。7曲目"野生のポルカ"から8曲目のインスト曲"scat"、9曲目"エンドロールには早すぎる"の流れは素晴らしいですね。
2位 The National/Trouble Will Find Me
Trouble Will Find Me National 4ad / Ada 2013-05-20 売り上げランキング : 1501 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
インパクトでは「Alligator」、「Boxer」に劣るかもしれませんが、全体のバランスといった点なら「Alligator」以上で、「Boxer」とも甲乙がつけがたい出来。The Nationalひさびさのアッパーなナンバー"Graceless"、静謐な中に凝った音作りがしてある"I Need My Girl"、ボーカルのMatt Berningerの声が絶妙の雰囲気をつくり出す"Fireproof"と、力のある曲が並んでいます。
3位 Daughter/If You Leave
If You Leave Daughter Imports 2013-03-25 売り上げランキング : 14418 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
個人的な今年のNo.1新人がこのDaughter。派手さはないのに深いスケール感を感じさせるバンドで、音の広がりは新人離れしています。例えば、3曲目の"Youth"。出だしは最近ありがちなフォーックがかった曲なのですが、後半はギターとドラムによって曲が加速していき、音が広がっていきます。この盛り上がりはFlorence & The Machineのやや単調な派手さに比べると、よく練られていますし新しいと思います。
4位 Polly Scattergood/Arrows
Arrows Polly Scattergood Mute U.S. 2013-06-17 売り上げランキング : 90992 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ポップでありながらどこか切羽詰まったようなボーカルと楽曲が特徴なUKの女性シンガーソングライターの2ndアルバム。1stのほうがいい出来だとは思いますが、ただ、それでも不安定でそれでいて力強くもあるPolly Scattergoodの声は魅力がありますし、好きですね。
5位 Kanye West/Yeezus
Yeezus Kanye West Def Jam 2013-06-24 売り上げランキング : 1029 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
圧巻だった前作、「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」に比べると普通のヒップホップアルバムという感もありますが、やはり非凡なアルバムだと思います。カニエの初期の作品にあった黒人差別への怒りなどを思わせるタイトルの曲も多く、楽曲と相まってかなりヘヴィーな印象を与えていて、個人的には、ややヘヴィーさが全面に出過ぎている気もするのですが、"Blood On The Leaves"はヘヴィーさと繊細さが絶妙にブレンドされたすごい曲。
6位 Sigur Ros/Kveikur
Kveikur Sigur Ros Xl Recordings 2013-06-24 売り上げランキング : 4449 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
前作の「Valtari」がまったく面白みのないアルバムだったのであまり期待していなかったのですが、良かったです。今回のアルバムを前にキーボードのKjartan Sveinssonが脱退し、Sigur Rosは3ピースバンドになったのですが、そのぶん「バンド」っぽくなった感じがしますね。Sigur Rosっぽさは減ったかもしれませんが、それが逆に新鮮。3曲目の"Ísjaki"あたりを聴くと、この路線に期待したくなります。
7位 Travis/Where You Stand
Where You Stand Travis Red Telephone Box 2013-08-19 売り上げランキング : 5954 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「なんじゃこれ?」という感じだった前作「Ode To J. Smith」から5年。みんなの好きなTravisが帰ってきた!
新しさはない。特に人を驚かせるような何かもない。けれども、単純に良いメロディーの曲がボーカルのフラン・ヒーリィの切なさを感じさせる声で歌われています。
8位 Rhye/Woman
Woman Rhye Republic 2013-03-04 売り上げランキング : 495 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
カナダ出身のMike Miloshと,デンマーク出身のRobin Hannibalによるユニットのデビュー作。非常にデリケートな感じで、それでいながらどこかに「ノリ」を感じさせるような音楽を作るユニットで、ジャンル的にはポップスとR&Bとダンスミュージックが混じったような印象を受けます。ややソフトすぎる気もしますが、なかなか聴かせますね。
9位 Yeah Yeah Yeahs/Mosquito
Mosquito Yeah Yeah Yeahs Interscope Records 2013-04-15 売り上げランキング : 78043 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
期待が高かったぶん、イマイチ感は拭えないのですが、聴き直してみればやはりそこそこいいんじゃないかと。
今までのアルバムに比べると、キーボートがけっこう入っているのも特徴で、以前のようなスカスカ(もちろんいい意味で)の音ではなく、全体的に音の密度が濃くなって、そのぶんやや平凡になってしまった印象があります。ただ、音づくりにはさすがにいろいろと工夫してありますし、冒頭の"Sacrilege"はいい曲だと思います。
10位 London Grammar/If You Wait
If You Wait -Deluxe- London Grammar Island 2013-11-14 売り上げランキング : 233326 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
イギリスの3人組バンドLondon Grammarのデビュー・アルバム。このバンドの特徴はなんといっても女性ボーカルのHannah Reidの声。少しダークな感じでありながら伸びがあり、力強さもあります。また、このHannah Reidの声と全体的に抑えられた演奏によってアングラ的な雰囲気が漂うのもこのバンドの特徴。アルバム全体だとややしっとりしすぎている感がありますが、ひょっとしたら「大化け」するバンドではないかと思います。
番外 ふくろうず/テレフォン No.1
テレフォン No.1 ふくろうず ERJ 2013-07-23 売り上げランキング : 51113 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
素晴らしいと思うけど、ミニアルバムなので番外。タイミング的にはフルアルバムのリリースでおかしくないんですけど、ミニアルバムしか出ないってことは売れてないんでしょうね。相変わらず、ややダサいけど楽曲は最高。特に"春の惑星"なんてバラードの傑作だと思うんですけど、話題になんないですね…。