『ユナイテッド93』

 今日は新宿で『ユナイテッド93』見てきた。新宿武蔵野館でしかやってなくて1時過ぎの回に行ったらもう満席、結局4時ちょい前の買いを見るハメになった。でも、なんでけっこう客が来そうな映画なのに他の大きな劇場でやんないかね?

 この映画は9.11テロのときにどこにも突っ込まずに墜落したユナイテッド93便を描いた映画で、監督がポール・グリーングラスっていう『ボーン・スプレマシー』を撮った監督。『ボーン・スプレマシー』はここ最近のアクション映画の中ではかなり出色の出来の映画で、個人のあれこれした内面を描かないで、主人公のマッド・デイモンが息つく間もなくスパイとして動きまくるという点が非常に面白かったわけですが、この映画もその撮り方を受け継いでる。
 この題材は、ふつうの監督が描くと、テロリストに勇敢に立ち向かい犠牲になった乗客一人一人の人間を描くみたいになりがちなんだけど、そういうのはほぼなし。徹底的にドキュメンタリータッチに事実を描いて行きます。前半は管制官や空軍の関係者たちが、事態をつかむのに必至になっている姿、後半がユナイテッド93便の機内の様子を描いていて、特に管制官たちの描き方はリアルかつスリリング。それで最後のキャスト紹介で知ったんだけど、管制官などの多くが役者でなくてその当時実際にその場にいた人たちが演じているんですよね。これには驚いたけど、それが緊迫感をうまく出してたんだと思う。
 この映画に対して「人間を描けていない」とか「感情移入できない」みたいな批判もあるかもしれないけど、そういった部分がないのが個人的にはものすごいプラス評価。ポール・グリーングラスは注目の監督だと思います。
 ただ、ほぼ手持ちカメラで撮影しているので画面がゆれるゆれる。けっこう気持悪くなるかもしれないんで後ろのほうで見たほうがいいでしょう。あと、この気持悪さを考えると、前半はもうちょっと落ち着いて撮っててもよかったかも。