『ミッション:8ミニッツ』

 シカゴの街並みと郊外を走る列車の空撮に、ヒッチコックを思わせるようないかにもサスペンスチックな音楽。列車の中でジェイク・ギレンホールが目を覚ますと、目の前の見知らぬ美女が話しかけてきて、列車の中はなんだか怪しい奴ばかり。トイレの鏡を覗き込めばそこには見知らぬ他人の顔。そんな謎だらけのシーンのあと列車が爆発!
 そして、目を覚ますとジェイク・ギレンホールはカプセルのようなもの物の中にいて、軍の関係者と思われる女性が「テロの犯人はわかったか?」と話しかけてくる。これがこの映画の冒頭です。


 これからこの映画は『メメント』とか『バタフライ・エフェクト』とかに通じる複雑な展開を見せます(過去に何度も戻るという点では『バタフライ・エフェクト』に近いかな?)。
 この映画ではかなりアクロバティックなSF的設定がされているのですが、とにかくジェイク・ギレンホールは何度も送り込まれる8分間の時間の中で、爆弾とテロリストを見つけなければならないのです。
 同時に、徐々にジェイク・ギレンホールが置かれている状況、彼の過去といったものも明らかになっていきます。
 とにかく、冒頭からこのSFの世界に引き込んでいくやり方はうまい!
 観客は主人公とともに、まったく何もわからない状況から列車の様子、このミッションの内容、主人公の境遇といったものを知っていくことになります。


 というわけで、これ以上説明していくと見る人の興を削ぐと思うのでやめますが、さっき上げた『メメント』とか『バタフライ・エフェクト』あるいは『インセプション』なんかが好きな人にはオススメの映画です。
 設定は『バタフライ・エフェクト』に似てますが、まったくわけがわからない状況を主人公ととも体験するという点では『メメント』のほうが似てますかね。


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 ただ、ラストについてはけっこう謎なラストでもある。
 ↓ここからネタバレ



 主人公は最後に列車を爆破から救い、クリスティーナと結ばれるわけですが、そうなるとスティーヴンスが乗り移ったショーンも死んでいないことになり、死ななかったショーンの精神にスティーヴンスが入り込んでいるという、この映画の設定ではありえない事態になっている(ショーンが死んでいなければその脳内に侵入できないはず)。
 で、ちょっとネットで調べて見ましたが、以下のページのYahoo!映画のレビューが一番納得できました。
 http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id340423/rid239/p1/s2/c1/