『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

 評判に違わぬ面白さ。アクションもキレキレだし、それでいて映画としての画も決まっていて、「マッドマックスシリーズってこんなにきちんとしていたっけ?」という感想。子どもの頃に見たマッドマックス・シリーズもそれなりに面白かった記憶はあるのですが、こんなに映画としての完成度が高い作品でしたっけ?


 とにかく、アクション、アクション、またアクションという感じで、登場人物についての説明とかキャラクターを掘り下げるための回想シーンといったものはほとんどなし。ただ、だからといって登場人物たちが魅力的でないかというとそうではなくて、登場人物の内面や背負っているものはすべて「行動(アクション)」で示されています(主人公のマックスのフラッシュバックの説明もどこかでやるのかと思っていたら、まったくやりませんでしたね)。
 マックスと、シャーリーズ・セロンが演じるフュリオサが行動を共にすることにするシーンも、セリフによる説得や駆け引きはほとんどなく、とにかく「行動」。この「行動(アクション)」中心の展開がほぼずっと続いている所が、この映画のすごいところなんじゃないかと思います。


 近年のアクション、アクション、またアクションという映画の傑作にポール・グリーングラスが撮った『ボーン・スプレマシー』、『ボーン・アルティメイタム』がありますが、あれは手持ちカメラを使った臨場感重視の演出でしたが、この『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はスケール感のある、いかにも映画的な画を映しながらそれをやっている。最近の作品は全然見てませんでしたけど、ジョージ・ミラー、いい監督なんですね。
 唯一の難点は個人的に献血シーンがすごく苦手というところくらいでしょうか。


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