Car Seat Headrest/Twin Fantasy

 The Libertines+Destroyer?
 この2つのバンドを知っている人は「何を言ってるんだろう?」と思うかもしれませんが、このアルバムの2曲目の"Beach Life-In-Death"を聴けば、少しはその感覚がわかってくれるかもしれません。 
 やや投げやり気味ながら色気のあるボーカルとギター、このあたりがちょっとThe Libertinesを思いおこさせるわけですが、それだけではなく、なんとこの曲は13:19もあるのです。13分も続くThe Libertinesの曲なんて考えられないわけですが、このCar Seat Headrestはラフで色気のあるロックンロールを13分も続けてみせるのです。このあたりの構成力とかちょっとひねったようなギターの感じがDestroyerっぽいのです。


 Car Seat Headrestはシアトルのアーティスト、ウィル・トレドによるプロジェクトで、17歳の時に11枚(!)のアルバムを完成させBandcampで売り始め人気を獲得しデビューにいたったとのこと。現在は4人編成のバンドスタイルになっており、そうなってからは2枚目のアルバムらしいです。


 "Beach Life-In-Death"でみせた展開力は、ややゆったりめの4曲目"Sober to Death"でも発揮されていて、ギターを上手くアクセントにしたサビの繰り返しが上手いです。一方で、5曲目の"Nervous Young Inhumans"では、キーボードをうまく使ってややキッチュな感じに盛り上げています。とにかく曲のメリハリの付け方が上手いですね。


 さらに9曲目の"Famous Prophets (Stars)"は"Beach Life-In-Death"の13:19を超える16:11の大作。ロックアルバムにおける長尺の曲というのは地雷臭がぷんぷんするのですが、これもよいです。実は"Beach Life-In-Death"のメロディを使った曲で変奏とも言える感じなのですが、"Beach Life-In-Death"のサビのメロディに別のメロディを重ねてくる部分は盛り上がる。そしてなんだかんだといって16分を聴かせます。
 才能あると思います。



Twin Fantasy [帯解説・歌詞対訳 / 国内仕様輸入盤 / 2CD] (OLE13472)
Car Seat Headrest カー・シート・ヘッドレスト
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