2018年ベストアルバム

 去年の年末のふくろうずの解散発表、今年のチャットモンチーの解散と邦楽に関しては喪失感の大きかった去年から今年ですが、洋楽ではYoung FathersとCar Seat Headrestを発見することが出来て(両者とも1stアルバムではないのですが…)、もう少しだけ音源探し生活が続けられるのではないかと思いました。

 というわけで、今年は7枚紹介したいと思います。

 

1位 Young Fathers/Cocoa Sugar

 

 

 TV On The Radioが好きな人はぜひ!というバンド。

 ブラックミュージックのリズムが非常なタイトな形で再編成されていて、初期のTV On The Radioを思い出させます。

 音楽はTV On The Radioを思い起こさせる、という以外はなかなか説明しがたいのですが、3MCでラップグループのような編成なのですが、音はけっこうバンドサウンドっぽいところが面白いところです。

 

2位 Car Seat Headrest/Twin Fantasy

 

  The Libertines+Destroyer?
 この2つのバンドを知っている人は「何を言ってるんだろう?」と思うかもしれませんが、このアルバムの2曲目の"Beach Life-In-Death"を聴けば、少しはその感覚がわかってくれるかもしれません。 

 The Libertinesに通じるようなラフなロックを13分以上やってそれを聴かせるという展開力は只者ではないと思います。

 

 

3位 Mr.Children/重力と呼吸

 

 

 Mr.Children19枚目のアルバム。前作で小林武史のプロデュースから離れてバンドサウンドっぽさを取り戻したミスチルですが、今回の路線もそう。一時期鳴りを潜めていたロックっぽさも感じられます。

 歌詞は少し平凡になった気もするのですが、"海にて、心は裸になりたがる"とか"day by day (愛犬クルの物語)"とか気持ちよく聴ける曲が多く、またアルバム自体も短いこともあってすごく聴きやすいアルバムに仕上がっています。

 

 

4位 Jorja Smith/Lost & Found

 

 

 1997年生まれのイギリス・ウォルソール出身のシンガーソングライターでこれが1stアルバムです。

 父親がソウル・ミュージックにジャズ、ファンク、ヒップ・ホップ、ハウスの要素などを加えたネオ・ソウルグループのシンガーだったということもあり、このアルバムにもR&Bを中心にいろいろな要素が詰め込まれている感じです。

 若いながらも非常に洗練されていて、声も若くてはりがあるんだけど、同時に落ち着きもあります。評判になるのも頷ける1枚。

 

 

 5位 宇多田ヒカル/初恋

 

 

 「Fantôme」に続く、宇多田ヒカル7枚目のフルアルバム。

 前作の「Fantôme」は、椎名林檎小袋成彬KOHHとのコラボレーションと、母親の藤圭子を亡くしたことからくる仏教的とも言っていいような歌詞が印象的なアルバムでした。  それを受けて、今作では歌詞がやや普通なものに回帰する一方で、コラボレーション路線が模索されるのかと思いましたけど、見事に違いましたね。

 前作に比べるとやや地味な気もするのですが、何度も聴いていくとドラムとかは非常に凝っていて、それにのっかる宇多田ヒカルのボーカルの巧さを再認識させられます。

 

 

6位 Kanye West/ye

 

 

 このエントリーを書くにあたって、このアルバムのレビューを書いていないことに気づいた!

 最初聴いた時は素晴らしく思えて、「これは年間Best3は間違いなし!」と思ったのですが、聴いていくとやや印象が薄れていく面も。それでも、6曲目の"Ghost town"は素晴らしく、さすがカニエと思わせる楽曲です。

 

 

7位 Vance Joy/Nation Of Two

 

 オーストラリア出身シンガーソングライターVance Joy(James Keogh)の2ndアルバム。前作「Dream Your Life Away」がなかなか良かったのですが、今作も順調に音楽の幅を広げている感じで良いですね。  

 基本的にはギター中心で、オーソドックスといえばオーソドックスな楽曲なのですが、そのギターサウンドをさまざまな楽器を使ってうまく装飾しています。

 

 

 CDに関しては中古の買取価格も非常に渋くなり、もうCDのアルバムというフォーマットも終わりなのかなと思わないでもないですが、個人的にはアルバム単位で聴きたいので、何とかベストアルバムを選んでいきたいですね。