デンマーク出身の男女二人組バンド・The Raveonettesの5枚目。
The Strokesの成功以後、00年代前半にThe 〜ってバンドが大量にデビューして、自分もThe MusicとかThe Libertinesとか色々聴いたわけですが、いまだに追い続けているのが唯一このThe Raveonettes。
ジザメリのコピーのようなEPでデビューしつつ、1stはオールディーズ的なメロディ満載のポップなアルバム。その後もいろいろ試行錯誤しながらシューゲイザー的な単調さに落ち込まないでポップさを保ってきたのがこのバンドのいいところ。ただ、さすがに最近はやや新しい展開に欠けるかなって思ってました。
ところが、この5thはややダークめのギターリフを活かしながら、なおかつ今まで失わなかったポップさもしっかりとキープしているというThe Raveonettesの新しい魅力を感じさせるアルバム。
1曲目の"Recharge & Revolt"、2曲目の"War In Heaven"ともに繰り返されるリフが印象的なのですが、"Recharge & Revolt"はややポップに、"War In Heaven"はややダークめにと変化をつけ、それでいて双方とも単純すぎず、複雑すぎず。
そして4曲目の"Apparitions"や6曲目の"Let Me On Out"ではギターをやや抑えてボーカルを前に出してきてまさに自在の展開。1stの"Love Can Destroy"とかが好きな人には嬉しい感じの曲でしょう。
8曲目の"Evil Seeds"もどこかで聴いたことのあるようなリフなんだけどかっこ良くて、ラストの"My Time's Up"は甘く綺麗に締める。1st以来のステ曲の少ないアルバムだと思います。
日本だともうちょっと素直にシューゲイザーをなぞっちゃってるようなTHE PAINS OF BEING PURE AT HEARTとかの評価が高いですが、個人的には断然The Raveonettes。
The Raveonettesの入門としても良いアルバムです。
静止画ですが"Evil Seeds"
Raven in the Grave
Raveonettes