うーん、何かが足りないという感じ。
前作の「Narrow Stairs」がいまいちだったDeath Cab For Cutieの新作ですが、「Narrow Stairs」とはまったく違う意味でいまいちだと思う。
「Narrow Stairs」は今までのデスキャブらしさをなぞりつつ、それに終わってしまっている感じで好きではなかったのですが、今作はそれに比べるとさまざまな新しい試みがされていると思います。アレンジも全体的に変化に富んでいますし、メロディも悪くはないです。ただ、それによって今までのデスキャブが持っていた「美しさ」みたいなものが失われてしまった気がします。
例えば、2曲目でアルバムタイトルにもなっている"Codes And Keys"にしても、悪くはないのですが、今までになったバンドサウンドとベンの声の一体感のようなものが失われていて、いまいち輝いていないんですよね。それは5曲目の"You Are A Tourist"にも言えることで、いい曲なんだけどデスキャブらし美しさがないです。かろうじて"Portable Television"あたりに以前のデスキャブっぽさを感じたりもしますが…。
全体的にギターよりもキーボードがベースになっている曲が多くて、それが原因なのかもしれませんが、なんか残念ですね。