Fontaines D.C. / Skinty Fia

 アイルランド・ダブリン出身のバンドの3rdアルバム。ジャンルとしてはポスト・パンクで、前作の「A Hero's Death」から聞き始めてます。

 とにかく非常に雰囲気の良いバンドだと思ったのだけど、この手のバンドの難しさは雰囲気の良さで押せるのは最初だけで、キャリアを積むに連れ迷走が始まってしまうことが多い点。

 

 ところが、今作は今までの雰囲気の良さは維持しつつ、初期衝動の余力みたいのではない音楽的な進化もあります。

 アルバムの構成も巧みで、1曲目の"In ár gCroíthe go deo"で勢いよく始まって、2曲目の"Big Shot"はダークで落ち着いた感じと緩急がついている。3曲目の"How Cold Love Is"も目新しいわけでないけど、耳に残るメロディを印象深く聴かせて、4曲目の"Jackie Down the Line"は同じく耳に残るメロディを今度はやや軽い感じで聴かせてくる。

 メロディ自体が良いのですが、それ以上にその聴かせ方が上手いバンドだと思います。やや箸休め的な感じの7曲目の"The Couple Across the Way"もなんてことのないメロディをボーカルが歌っているのですが、これもなかなか良いです。

 

 そして、後半の"Skinty Fia"〜"I Love You"とつづくダークなボーカルも印象的。特に"I

Love You"のラップ的なボーカルはいいですね。

 最後の"Nabokov"は歪んだギターが印象的な曲でアルバムの終わり方としてもセンスのある終わり方だと思います。

 3rdでこの感じなら、今後も長く期待できるバンドかもしれません。

 

 


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