カナダの女性2人、男性3人編成のバンドの3rdアルバム。
1st、2ndとローファイな感じながらもところどころに非常に印象的なメロディがあって今まで聴いてきましたが、この3rdアルバムはもはや「ローファイ」という言葉でくくれないくらいバンドサウンドが充実してきました。
例えば、2曲目の"Easy On Your Own?"もメロディがよくて、女性ボーカルMolly Rankinの声がよく映える曲なのですが、今までよりも演奏に力強さがあります。
4曲目の"Tom Verlaine"もそうで、後半には今までなかったような厚みのあるギターをはじめ、しっかりとした音圧で聴かせます。
まあ、もうちょっとヘロヘロしていたほうがいいと感じる面もなくはなくて、6曲目の"Many Mirrors"あたりは、もう少しバックがヘロヘロしていたほうがMolly Rankinのヴォーカルが生きた気もします。
ただし、やはりローファイ路線というのは往々にして行き詰まってしまうわけで、今作の路線は正解でしょう。10曲目の"Pomeranian Spinster"なんかも演奏の賑やかさが効いていますし、アルバム全体として単調になってしまうことを防いでいます。
12曲目の"Bored In Bristol"あたりは厚みの出たバンドサウンドとMolly Rankinのヴォーカルが噛み合った1曲と言えるのではないでしょうか。
バンドとしては一段階上へといったアルバムではないかと思います。