ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』

 ウィリアム・ギブスンニューロマンサー』を読了。今更という感じの本だけど、今読むと、『マトリックス』にしろ『攻殻機動隊』にしろこのほんの強い影響の元にあるってことがわかる。特に『マトリックス』に出てくる用語「マトリックス」とか「ザイオン」なんかはもうここで使われているものですからね。1984年発表のこの作品で「チバ・シティ」を登場させているというのも炯眼もの。とにかく未来を先取りする感覚としては、これほどの作品はそうそうないでしょう。
 ただ、ストーリー的にはやや散漫というか、必然性がない部分も多くて、小説的な完成度はそれほどでもないと思う。最近の作品だとニール・スティーヴンスンの『スノウ・クラッシュ』なんかと少し似た感じがあるかな?

ニューロマンサー
ウィリアム ギブスン 黒丸 尚
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晩ご飯はトンカツとキュウイ