コルタサル『石蹴り遊び』第1回目読了

 南米の作家コルタサルの『石蹴り遊び』の第1回目読了。第1回目なんて書いたのはこの小説には2通りの読み方あって、1つは1章から56章までをふつうに読むやり方。もう1つは章末に書かれた番号に従って全部で155の章を読む読み方。とりあえず1〜56までふつうに読みました。いつか気が向いたらもう1つの読み方にチャレンジします。
 昼間っからパリの町をぶらぶらしては意味もないような芸術談義にふける主人公のオリベイラ。彼がつきあっているのが赤ん坊を抱えたラ・マーガ。赤ん坊の死をきっかけとしてラ・マーガが姿を消し、オリベイラはその幻影を追い続けるって言うようなストーリー。
 オリベイラの芸術談義とかには正直辟易するところもあるけど、技巧を尽くして描くコルタサルの腕は見事。特に赤ん坊が死ぬ28章からラ・マーガが姿を消す34章あたりまでは20世紀の小説が生み出した技巧がぞんぶんに使われている部分で、まさに圧巻。ただし、もう絶版で僕はたまたまブックオフで見つけました。
 フリオ・コルタサル『石蹴り遊び』