『モンスター』

 シャーリーズ・セロンが13キロ以上太ってアカデミー主演女優賞を取った『モンスター』を見た。確かにシャーリーズ・セロンはかなりデブでそしてブスになってる。最初は、そのシャーリーズ・セロンがわざと下品な演技をしている感じでいまいちに思えたけど、だんだんなじんんでよくなってくる。
 映画自体は実話に基づいた映画で、シャーリーズ・セロン演じる娼婦のリーが、自殺しようと思いながらバーに入ったところ、冴えない感じの少女であるセルビーに声をかけられ友達になってほしいと頼まれる。今まで人に頼られたことのないリーはだんだんとセルビーにハマっていき、2人で暮らそうとするがお金がない。そしてリーはセルビーと暮らすために殺人に手を染めるようになってくる、というもの。
 女性監督のパティ・ジェンキンスの撮ったこの映画は、とにかくリーとセルビーの神経症的なやり取りがリアル。常に自分の外に意味を求めずにいられない、そして自分の存在を誰かに受け止めてほしいというヒステリックな訴えが2人の間をつねに行き交っている。サイコサスペンスではないので特にグロくはないですけど、精神的に「痛々しい」映画ではありますね。ただ、娼婦としての虐げられたリーの存在より、そういった2人のやり取りに目がいってしまうのは、ちょうど神田橋條治の『発想の航跡』を読んでる途中だからかもしれない。

晩ご飯は豚汁