『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

 別にスター・ウォーズのファンというわけではないので見るのが遅れましたが、なんだかんだ言って今まで全部見てきているので(エピソード4と5はTV)、完結編も見ておこうということで見に行ってきました。

 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』よりは面白かったと思います。前作で導入された余計に思われた要素(ローズとかベニチオ・デル・トロとか)をうまく取り除いて、観客がストレスを溜めないような流れになっていました。

 「フォースはいつの間にか修行で身につく第六感のようなものではなく血統に裏付けられた超能力になってしまったのだなぁ」とは感じましたけど、ラストもまあ無難かなと思います。

 

 ただ、『最後のジェダイ』が今までのスター・ウォーズの流れのいくつかをひっくり返すような挑戦をしようとしていたのに対して、今作はそういった挑戦はないです。『最後のジェダイ』が120点を狙って60点くらいしか取れなかった映画だとすると、今作は85点くらいを狙って70点くらいを取ってきたような映画に思えました。

 

 こうやってジョージ・ルーカスが抜けたシリーズを見終わると、やはりルーカスの才能の1つがキャラの創造にあったことがよくわかります。

 映画史に残るキャラであるダース・ベイダーはもちろんのことハン・ソロ、チューバッカ、ヨーダ、イウォーク、ジャバ・ザ・ハットと、とにかく最初のシリーズのキャラは魅力的だった。あとはキャラじゃないけどデス・スターデス・スターのラスボス感とかも半端なかったですよね。

 

 一方、今シリーズが生み出した魅力のあるキャラというのはカイロ・レンくらいで、他は基本的に失敗していたと思います。フィンなんかもハン・ソロ的な魅力を発揮するのかな? と思いましたが、脚本の混乱もあってなんだかよくわからないままに終わりましたし。

 新シリーズを始めるにあたって、本当に必要だったのは主人公を女性にするとかそういう話ではなくて、デス・スターの代わりになるようなラスボスを考えるべきだったのではないかというのが、今シリーズを見終わっての感想ですね。