last.fm、サミュエル・R・ ディレイニー『アインシュタイン交点』読

 last.fmを始めてみた。
 これは自分がパソコンで聴いた音楽のタイトルの音楽をアップロードしてくれて、チャートとかもつくってくれるってやつで、mixiミュージックとかにも似てるんだけど、好きなアーティストのSimilar Artistsを教えてくれるのが便利。世界中でやってるからほぼどんなアーティストでもカバーしてるからね。
 それと好きなアーティストを入力すれば,似たアーティストの曲を流してくれるラジオもある(日本語ページだとこれがないのでページの下の選択の部分で英語ページを選ぶとよいです)。それ以外にも、日本語ページはまだまだ不完全なようなので、最初っから英語版で始めちゃったほうがいいかもしれません。
 僕のページ
 http://www.last.fm/user/yamayu/

 
 サミュエル・R・ ディレイニーアインシュタイン交点』を読了。これは読んでる途中はかなり面白いんだけど、その内容を説明しようとするととってもむずかしい小説ですね。
 サミュエル・R・ ディレイニーニューウェーブと呼ばれる世代のイギリス人のSF作家で、黒人でしかもゲイだったらしい。
 話の設定としては遠い未来の地球が舞台で、人間ではない人間の奇形のような人々(?)が暮らしている世界。主人公のロービーは穴のあいた筒のついた山刀で音楽を奏でることのできる青年。彼が恋人の死をきっかけに旅に出て、さまざまな様々な不思議な冒険(?)をするというが、まあ基本的なストーリー。
 前半の少し神話的な語り口は、ジーン・ウルフケルベロス第五の首』の「『ある物語』」なんかをちらっと思い出しますが、この『アインシュタイン交点』では実際にミノタウロスの神話を下敷きにしたと思われる,地下の穴での巨大な牛との決闘なんかが描かれていて,一瞬、「神話の変奏なのかな?」とも思わせますが、そんな中にもビートルズの話とかが混じっていて、「神話」というのが様々なレベルで展開されているのがこの物語の特徴。
 登場人物のグリーン・アイはおそらくキリストを象徴している人物なんだろうけど、スパイダーがユダ?
 さらにはスパイダーはキッド・デス=ビリー・ザ・キッドに対する、ビリー・ザ・キッドを殺した保安官パット・ギャレットにも読めそうな気もするし、このあたりはあえて作者が様々なイメージを投影させながら書いているんでしょう。
 100%謎が解けないと納得できないという人にはお薦めできませんが、様々な魅力を持った小説です。

アインシュタイン交点
サミュエル・R. ディレイニー Samuel R. Delany 伊藤 典夫
4150111480


晩ご飯は豚バラ肉とナスのトマトソース煮