『アイアンマン』

 アメリカ最大の兵器製造会社の社長にして天才科学者であるロバート・ダウニー・Jr演じるトニー・スターク。アフガニスタンに新兵器の実演に行った彼は途中でゲリラに襲われ瀕死の重傷を負い、とらわれの身となる。そして脱出のために秘かにパワード・スーツの開発を始めるのであった…。


 アフガンで現実を見て、アメリカの対テロ戦争に何らかの批判的スタンスを取るのかと思ったら、アフガンのテロ組織は現地の人でもイスラム教徒でもない単なる悪の集団。アフガンのテロ組織のリーダーがなんでスキンヘッドでヒゲもはやしてないんだ?って思ったら、特にタリバンとかイスラム原理主義派関係のない謎の集団。
 テーマとかアイアンマンの造形からは、テクノロジーによってアメリカの覇権を打ち立てようとするテクノエンパイアの思想(http://d.hatena.ne.jp/morningrain/20080216/p1参照)を表すものではないか?、あるいは、ネオコンに対する何らかの批判的な視点があるのではないか?なんて思いますが、ほぼそんなものはないですね。
 でも、そのぶん単純に楽しめる映画です。
 主役のロバート・ダウニーjrははまり役で、自信満々で適当な天才を演じきってますし、ヒロインのグウィネス・パルトロウもイイ!
 今までグウィネス・パルトロウの良さに気づかなかった自分を恥じるのみです…。
 

 同じアメコミものでも『ダークナイト』なんかとは真逆に位置する映画ですが、バットマンバットマンの力を支えるのは修行とテクノロジー。そして、このアイアンマンを支えるのは完全にテクノロジー
 日本のヒーローだともっと超自然的な力をその支えとするような気がするのですが、なんかこのアメコミにおけるテクノロジーの位置づけってのは、前述のテクノエンパイアと通じるものがあるのかもしれませんね。