Travis/Ode To J. Smith

 賛否両論というか、どちらかというと否定的な意見が目立つTravisの新作。
 まあ、それは1st以来のロック色の強さを持つ前半への違和感なんでしょう。正直僕もそんなにいいとは思えません。もっとも、去年のサマソニで"All I Want To Do Is Rock"やってたように今のTravisはロックっぽいのがやりたかったんでしょうね。
 Oasisの強い影響を受けた1stからナイジェル・ゴッドリッチを迎えてUK的な叙情を極めた2nd、3rd、そしてRadiohead化した4th、2nd、3rd的な世界に回帰した5th。ところが、原点は1stなわけですから、原点回帰としてはこのアルバムが正しいのかも。
 ただ、今までの美メロファンに対する配慮もありまして6曲目の"Last Words"以降は、いかにもTravis的な美メロの曲があります。ナイジェル・ゴッドリッチがプロデューサーとして入っていないので少し大味な感じはしますが、前述の"Last Words"とかラストの"Before You Were Young"なんかはTravisならではの美メロですし、ラスト前の"Song To Self"なんかはロック色とTravis的な美メロが上手く融合した曲ではないでしょうか。
 アルバム全体の完成度は落ちますが、全然ダメってわけじゃないです。Travis好きならそこそこ楽しめるアルバムでしょう。


Ode to J. Smith
Travis
B001E1GXHS