Stars/The North

 なんだかんだ言って最も好きなバンド言えるStarsno6枚目。
 先行配信を聴いたときは、エレポップ路線に立ち戻ったのか感じましたし、実際1曲目の"The Theory Of Relativity"は、Chairliftのニューアルバムを思い出させるような曲でした。
 けれども、その後の曲はそれほど「エレポップ回帰」といったものではなく、路線としては前作の「The Five Ghosts」を引き継いでいる感じ。ただ、前作はAmyのボーカルが目立った感じでしたが、今回はTorquilのボーカルが目立っている。その点、Amyファンにとってはややパンチに欠ける印象があるかもしれません。
 Amyの声が思う存分堪能できるのは4曲目の"Hold On When You Get Love And Let Go When You Give It"。サビの部分で入るハイトーンのコーラスはいいですね。今回のアルバムの中でも一番いい曲だと思います。
 6曲目の"Do You Want To Die Together?"はちょっとArcade Fireの1stを思わせるような曲。8曲目の"The Loose Ends Will Make Knots"なんかは二人のコーラスがつづいて、いかにもStarsっぽい曲ですね。11曲目の"The 400"もいかにもStarsっぽいバラードで、Torquilのボーカルとそれを引き立たるサウンド作りが上手い。
 

 ただ全体的なインパクトは、やはり「Heart」、「Set Yourself On Fire」、「In Our Bedroom After The War」の傑作群に比べると落ちる。まあ、これは前作にも言えることですけど1作ごとに新しい世界を切り開いていった頃の勢いはないですね。出来としては前作と同じくらいか、やや落ちるかといったところ。
 それでも他のバンドと比べれば今年聴いた中でもいいほうですし、相変わらず自分はStarsが好きなんだなということを再確認。



North
Stars
B008KWHJMM