The Velvet Teen/All Is Illusory

 すっかりその名を忘れていたThe Velvet Teenですが、まさかアルバムのリリースがあるとは!
 日記を見返してみたら、前作の「Cum Laude」が2006年なので9年ぶり。とっくに解散していたと思っていました。
 The Velvet Teenはデビュー当時はDeath Cab For Cutieっぽくて、その後、徐々にポストロック風の作風になり、そして「Cum Laude」は電子音がピコピコなっているひねったサウンドというようにその作風を変化させてきましたが、今回は今までのいろいろな作風の曲が詰まっている感じ。
 冒頭の"Sonreo"は初期の美しさが感じられる曲ですし、4曲目の"Pecos"はキーボードがピコピコと鳴り響く「Cum Laude」路線の曲。6曲目の"The Giving In"なんかは、彼らの出自であるエモっぽさが出ています。
 ただ、アルバム全体としては、8曲目の10分を超える長尺の曲"Taken Over"が弱い所がちょっと残念。これが「Elysium」所収の"Chimera Obscurant"のような曲であれば、文句なしに良いアルバムといえるのでしょうが、後半が盛り上がりに欠ける感じです。
 ただ、久々にThe Velvet Teenの音楽を聴けて、懐かしさと嬉しさがありますね。



All Is Illusory
Velvet Teen
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