トム・ヨークの「ロックはゴミだ」発言で幕を開け、そのままロックの低迷が続いた00年代。The Strokesをはじめとしてリバイバルとしてのロックはあったけど、真に新しいロックを生み出したのは、このTV On The Radioの中心メンバーであり、Yeah Yeah YeahsなどのプロデューサーもつとめたDavid Sitekくらいじゃないですかね。
そんなDavid Sitek率いるTV On The Radioの3rdアルバムがこの作品なのですが、期待に違わず素晴らしい!
1st、2ndに比べると明るくて開放的な曲"Halfway Home"から始まり、3曲目の"Dancing Choose"では絶妙なホーンmんおアレンジを聴かせてくれるのですが、TV On The Radioの変化した姿が現われてくるのは5曲目の"Golden Age"から。
"Golden Age"は80年代的な軽さを持った曲ながら、後半はダークなストリングスが重なることでTV On The Radioならではの世界をつくりあげているし、つづく"Family Tree"はほとんどColdplay!今までのTV On The Radioにはまったくなかったスケール感や荘厳さを感じさせてくれます。
7曲目の"Red Dress"は一転していかにも黒人音楽というソウルを聴かせてくれる曲。ただ、ノリの良さの裏に緻密さも併せ持っているのは相変わらず。8曲目の"Love Dog"は歌を聴かせる曲だけど、これまたアウトロのストリングスとかが見事。
9曲目の"Shout Me Out"は緻密なリズムが一気に加速してそれにギターが絡んでいくカッコイイ曲!10曲目の"DLZ"はいかにもTV On The Radio的な曲だけど、今までのアルバムの曲よりも力強さがある。
そして最後は祝祭的な盛り上がりを見せる"Lover's Day”。フルートやサックスが入り乱れるこの曲は傑作アルバムのラストを締めるのにふさわしいですね。
全体的に今までやや弱かったメロディがよくなって、アルバム全体の変化という点でも1st、2ndを遥かに上回る出来。アルバムとしてはTV On The Radioのキャリアの中でも一番の出来だと思うし、今年リリースされたアルバムの中でも1、2を争うものと言っていいでしょう。
久々に絶賛できるアルバムです。
試聴はこちら↓
http://www.myspace.com/tvotr