The National / First Two Pages of Frankenstein

 2017年の「Sleep Well Beast」で、Radiohead以来、複雑化をつづけてきたロックの1つの頂点を極めた感があったThe Nationalのニューアルバム。

 前作の2019年発売の「I Am Easy to Find」では、女性ボーカルを多数featuringして、さらなる複雑化を志向しましたが、それほどうまくいった印象がない状況で、今回はどうなのか?というのが注目でした。

 

 冒頭はいきなりSufjan Stevensをfeaturingしてきていて、Sufjan Stevensのきれいなピアノが印象的な曲から始まります。

 他にfeaturingされているのはPhoebe Bridgersと、Taylor Swift。

 このように女性ボーカルも入れてはいるのですが、例えば、4曲目の"This Isn’t Helping"も、Phoebe Bridgersがfeaturingされているのですが、それほど目立ちませんし、前作に比べると客演は抑えめです。

 

 その分、Matt Berningerのおっさんボーカルが堪能できる感じで、前作に不満を覚えたひとは今作に満足できそうです。

 6曲目の"Alien"も、それほど凝った曲ではありませんし、前にもあったようなメロディでもあるのですが、Matt Berningerが歌うと雰囲気が出ます。

 8曲目の"Grease In Your Hair"も、いかにもThe Nationalっぽいメロディで、ファンとしては素直にアガる曲でしょう。

 

 ただ、逆に言うと新鮮味がないのも事実で、「Boxer」とか「Sleep Well Beast」にあったような衝撃はないですね。The Nationalが好きな人が満足できるアルバムという感じです。

 


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