Alabama Shakes/Sound & Color

 ちょっとは流行の音楽も聴いておかなければということで手にしたのが、このAlabama Shakes/Sound & Color。
 確かにこれは音楽ファンから高い評価を得るのも納得。聴いた感じは古臭さも感じさせるようなブルースやソウルの香りを漂わせるロックで、過去からタイムスリップしてきた感じも受けますが、聴いていくと、相当な音楽マニアによってつくりこまれたものなんじゃないかと思えてきます。


 2曲めの"Don't Wanna Fight"なんかも、バンドの衝動が爆発したような曲にも聞こえますが、聴いているとだんだんバンドの余裕みたいなものが見えてきて、かなり計算された音だということが見えてくる。
 8曲目の"The Greatest"も破れかぶれに疾走しているように見えますが、例えば、The Libertinesのような「本当のやぶれかぶれ」と違って、全体のグルーヴは恐ろしく冷静なような感じです。
 

 そういった点では、少しTV On The Radioを思い出します。TV On The Radioはさまざまな黒人音楽をデイヴィッド・シーテックが完璧にコントロールしてみせた音でしたが、これは過去のロック、ブルース、ソウルといったものの要素を取り出してコントロールしてみせた感じです。
 ただ、TV On The Radioが全く新しい音を作り出していたのに対して、このAlabama Shakesにそういった「新しさ」はないですかね。



Sound & Color
Alabama Shakes
B00TEJB8JK