偏愛の対象であるふくろうずのニューアルバム。
今回のタイトル「びゅーてぃふる」もOKとは思えないけど、前作の「だって、あたしたちエバーグリーン」よりは恥ずかしくないと思う。
そして、今回のアルバムが今までと違う点は1曲目、2曲目にそれぞれシングル曲的な"びゅーてぃふる"と"デイドリーム"を持ってきているところ。
"びゅーてぃふる"は、ふくろうずらしい美しさのある曲で、"デイドリーム"は今までになかったようなスピード感溢れるキャッチーなナンバー。♪走る走る走る走る♪のサビの勢いと、内田万里のちょっと抜けたようなボーカルが絶妙なバランスです。途中、いきなり「おっぱい!」と叫ぶところがあってびっくりしましたが「オーライ」の聞き間違えでした。
4曲目の"光"も、エモい歌いっぷりと♪そうさ 自由を手に入れるために/自由ってなんだろう わかるわけないだろう♪という投げやりな感じの組み合わせがいいですね。
というわけで、ふくろうずのアルバムにしては珍しく前半が良い。ややひねった変な曲を冒頭に持ってくることが多かったふくろうずにしては素直な構成というか、きちんとセールスを狙っている感じで良いんではないでしょうか。
ただ、そのぶん後半は過去作に比べるとやや弱いか。
7曲目の"ムーンライト"は非常にきれいなメロディのいい曲ですし、9曲目の"ソナチネ"もエモさのある曲なのですが、この"ソナチネ"の歌詞世界が個人的にはやや単純に思えてそんなに好きではない。この"ソナチネ"が自分のツボにはまっていたらふくろうずのアルバムとしては一番良かったと思うのですが、ちょっと最後で突き抜けられなかった感じでしょうか。
けど、今までのふくろうずのアルバムの中でも間口が広いアルバムなのは確かじゃないかと。
びゅーてぃふる
ふくろうず