佐藤友哉『クリスマス・テロル』読了

 前々から東浩紀が推していたのは知っていた佐藤友哉ですが、この前高橋源一郎との対談も読んだこともあって、はじめて読んでみました。
 ミステリーはあんまり読まないほうなのですが(最近はジム・トンプスン位しか読んでいない)、これはミステリーとして期待して読むと肩すかしを食らうと思う。ただ、読ませる力がある。文章としては、体言止めを多用する少し固い感じの地の文と、会話の部分になんか違和感があって、ちょっと変わった印象を受けますが(リアルの背景をバックに登場するセル画のキャラクターみたい)、内容的にはこの小説で引用されているポール・オースターなんかにも通じる部分があって、オースターと同じく荒唐無稽ながら読ませる力があります。ラストとかはそんなに好きじゃないんですが、けっこう引っかかるものがあったんで、『フリッカー式鏡公彦にうってつけの殺人』をブックオフで見つけて買ってしまった。
 『クリスマス・テロル』
 『フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人』