佐藤友哉『フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人』読了

 『クリスマス・テロル』に引き続いて読んでみましたが、この『フリッカー式』のほうがさらにふつうの小説とはいいがたい感じ。一応、ジャンルはミステリーなんだろうけどミステリーファンは「何じゃ、こりゃ」でしょうね。登場する人物はすべてキャラという感じで、セリフもアニメやゲームじゃなきゃあり得ないようなセリフです。ただ、この作品の価値は、最後がそういったオタク的な世界の欲望の極限というか、それに対する批判というかになっていて(どっちなのかは微妙)、強烈な印象を残す点です。佐藤友哉の本はもうちょっと読んでみたいですね。
 佐藤友哉『フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人』