2005-01-05 斎藤環『文学の徴候』読了 久々に文芸評論読んだけど、これは面白い。まず、取り上げられている作家が大江健三郎や古井由吉から村上春樹や島田雅彦や阿部和重を押さえて上で、舞城王太郎や佐藤友哉などと非常に幅が広く、川上弘美なんかまで押さえてある。だから、単に自分の論じやすい作家を並べたようなものではないし、精神分析を武器にそれぞれの作家の特質をけっこう探り当てていると思う。舞城王太郎論や大江健三郎論なんかは特にオリジナリティがあると思う。また、所々の皮肉みたいのもけっこう魅力。 斎藤環『文学の徴候』