出た、アホ天声人語

 10月から新聞が読売から朝日に変わったんだけど、さっそく悪文とアホな感想垂れ流しの宝庫である「天声人語」に、これまたアホな作文が掲載されてた。
 ノーベル経済学賞を受賞したゲーム理論に関するもので、囚人のジレンマとかを紹介しながら結びはこんな感じ

 戦略や戦略的思考といった言葉が人をひきつける力をもっているのを、竹田さんも認める。しかし、そのプラスのイメージだけに目を向けることには批判的だ。確かに国にも企業にも戦略は必要だが、戦略だらけでも息苦しい。

 なにが「息苦しい」だ。
 しかも、ここで依拠している武田茂夫の『ゲーム理論を読みとく』は、Amazonのレビューで9人中5人が星1つという素晴らしい本。
 いくつか引用すると

 またルールの変化など最近の研究動向を一切無視する(単に知らないのかもしれないが)一方で、代替としてかろうじて提案されたものがホルクハイマー等の初期フランクフルト学派というのでは、率直に言って失笑を禁じえない。羊頭を掲げて狗肉を売るとはこのことだろう。

 最近ふえてきた、ゲーム理論トンデモ本のひとつ。

 そこで著者は「ゲーム理論によってみえなくなるものもあるのだ。ゲーム理論はどのようにわれわれの目をふさいでしまうか」と問いかける。

しかし、読み進めるうち判明するが、目をふさがれているのは著者自身であり、批判をしたいが為にまわりが見えなくなっているのだ。

 しかし,7章,8章では著者のトーンが少しずつ変わってきます.余りにも軽い7章を経て,最後の8章はゲーム理論批判と言うよりも,アメリカの「防衛知識人」に対する批判と嫌悪,そして戦争への糾弾に満ちてしまっています.平和を願う著者のお気持ちはよく分かるのですが,戦争への言及とゲーム理論への批判は同値なのでしょうか.本書は6章で終えるべきだったのではないかと思います.

 マルクス主義者である著者には焦りがあるようです。現在の経済学を思想的に批判したい意図がまずあって、その対象に今最も流行っているゲーム理論が選ばれたのでしょう。

 こんな本だけ読んで、全国紙の1面に書いたりしてていいのか?で、こんなレベルの「天声人語」が受験とかに使われてるってのがさらなる驚き。学力低下だとか国語力低下とかいうけど、その責任の70%くらいは、「天声人語」と、それを受験に出題する奴らにあるね。

晩ご飯はハンバーグとキュウイ