『最前線物語』

 id:morningrain:20051005のコメント欄でも話題になった『最前線物語』をDVDで見た。老軍曹に率いられ北アフリカからシチリア、ノルマンディ、ベルギー、チェコと前線を転戦する部隊を描いた映画。部隊の転戦がそのまま第2次大戦の進展と重なっていくような映画の展開なんだけど、あくまで兵士の視点のみで描かれているため、いわゆる「スケール感」みたいなものはない。また、本来かなり長いフィルムを大幅にカットしているため、ちょっと唐突な展開もあるし(軍曹が捕虜として捕まって、また部隊に戻ってくるところとか)、各戦闘やエピソードもかなり断片的な形で構成されています。
 ただ、その中でも、イタリアで女性たちが倒れたドイツ兵を農具で殺すシーンや、ベルギーでの精神病院のシーン、チェコでの強制収容所でのシーンとか、短いながらも強烈なシーンが光る。一つのカットに戦争の狂気や残酷さを印象づけることに成功していると思います。id:morningrain:20051005のコメント欄での藤原帰一氏の「おさえた表現」というのも納得できました。
 ただ、やはり僕は『シン・レッド・ライン』のほうをさらに高く評価しますね。『シン・レッド・ライン』はショーン・ペンに、この『最前線物語』の老軍曹をあえて演じさせていないのだと思います。ちなみにこの映画、『スター・ウォーズ』のルーク・スカイウォーカーである、マーク・ハミルが兵士役で出てます。

晩ご飯は豚肉とピーマンともやしの炒め物と冷や奴