名作再訪『1900年』

 まだチケットはたっぷりあるはずなのにサマソニの「通し券売り切れ!」作戦はいかがなものかと思ったけど、JOHNNY BOYの追加で2日いくことを決めたから今日チケット買ってきた。あとは、MUSEDJ Shadowがかぶらないことを祈りたいけど,かぶっちゃうんだろうな…。

 最近,歴史の映画をよく見ていて、今回はベルナルド・ベルトルッチの『1900年』を見た。なんと2部仕立てで5時間以上というものすごい長さなんだけど、これはすごい映画!ベルトルッチは『ラストエンペラー』と『リトル・ブッダ』くらいしか見てないんだけど、この『1900年』は『ラストエンペラー』よりもいいんじゃないでしょうか。
 1900年に生まれた2人の子ども、地主の子アルフレード小作人の子オルモ、この2人の半生を通して社会主義ファシズムに揺れたイタリアの20世紀前半が描かれている映画なんですが、とにかく描かれる人物と一つ一つのシーンが素晴らしいです。イタリアの農村風景と小作人たちの暮らし、子ども時代の友情、地主階級のデカダンスファシスト・アッチラの狂気とそれぞれのシーンに引き込まれますし、そして印象に残る、「輝いていた社会主義」。今世紀前半の、社会主義がまだキラキラしていた感覚っていうものが生き生きと描かれてます。
 成長したアルフレードを演じるのがロバート・デ・ニーロなんだけど、イタリア語をしゃべってるし、いつもは過剰なまでの存在感を見せるデ・ニーロが,この映画でははっきりしない好青年を演じていて、それもまた面白い。いい人間ではあるが意志の弱さから悪に加担してしまうという姿は、『ラストエンペラー』の溥儀に重なりますね。
 音楽はエンニオ・モリコーネで、エンニオ・モリコーネロバート・デ・ニーロというのは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』と同じコンビなんですけど、このコンビの名前から想像するものとはずいぶん違う傑作映画。

晩ご飯は焼き肉とサラダ