R・A・ラファティ『つぎの岩につづく』読了

 R・A・ラファティ『つぎの岩につづく』を読了。ラファティは一応SF作家として分類されてはいるけど、この短編集にはどれもSFとは言いがたい作品がならんでる。
 タイムパラドックスをあつかった「レインバード」とか、謎の惑星を探査する「むかしアラネアで」、「豊穣世界」、宇宙人との交信を描く「問答無量」とか話のとか、基本的にSF的な話も多いんだけど、受ける印象は民話とか神話とかホラ話のたぐいのもの。
 特に人間嫌いの科学者たちが、メンバーの中で唯一他人とのおしゃべりが好きな女性科学者に宇宙人との交信を託す「問答無量」なんかは、話の始まりから結末まで奇妙な味に満ちてますね。同じく、二酸化炭素に覆われて生態系が激変した未来の地球を描く「太古の殻にくるまれて」も、いかにもSF的な舞台設定ながらこれまた奇妙な話。
 しっかりとしたオチを求める人にはお薦めできませんが、変わった話を読みたい人にはオススメの小説。

つぎの岩につづく
R.A. ラファティ R.A. Lafferty 伊藤 典夫
4150111650


晩ご飯はほうれん草とベーコンのパスタ