オルセー美術館展

 引っ越してやっと電話がつながった!
 ただ、まだネットはダイヤルアップ。遅いし時間が気になる…。

 昨日は上野の東京都美術館オルセー美術館展を見に。
 印象派の作品中心てことでいかにも混んでそうだったけど、まあダヴィンチが始まったんで空いてるんじゃないかな?って思ったけどやっぱり混んでた…。
 ネット環境が許せば、目についた絵の画像をWikipediaかなんかで探してきたいところだけど、ダイヤルアップなので簡単に。
 作品は19世紀後半の作品がほとんどで有名どころはマネ、モネ、ドガルノワールセザンヌゴッホ、ゴーガン、モローといったあたり。
 こうやってこの時代の作品をまとめてみると改めて感じるのが「写真の登場」のインパクト。クノップフの「モリー・モンノン」とかバルトロメの「温室の中で」は妙に写真っぽい絵だったし、写真のようなクリアな輪郭に色を塗ったような絵も目立つ。
 また、この展覧会には当時の写真も何点か展示してあって、ジュリア・マーガレット・キャメロンの1970年代の写真なんかはラファエル前派の絵のような幻想的な感じもあり、写真がその表現形式を急速に拡大していったこともわかります。
 そんな中で登場した印象派だけどスーラやシニャックなんかの絵だと、もうパターン化された点描(シニャック)やイラストっぽい色遣いが目立ち、もう堕落している感じがある。
 そんな中でモネなんかはさすが。写真には決して真似できないような存在感がある。ゴッホの「アルルのダンスホール」も異様な迫力。画面に浮いているランプとか勢揃いした女官のような人物たちとかほとんど亡霊を描いた絵のよう。
 また、セザンヌの「ギュスターヴ・ジェフロフ」とルノワールの「バジールの肖像」が近い場所に展示してある部分があるんだけど、ふつうに陰影をつけるルノワールに対してセザンヌの陰影というのはほぼありえないような感じ。ただ、それによってモデルの存在感というか質感みたいなものがうまく出ているんだと思う。
 そしてマネ。最近、ベラスケスとマネが大好きなんですけど、やっぱよいね。「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」はもちろん、「ブーローニュ港の月光」も黒の鮮やかさが見事。「ブーローニュ港の月光」では黒の鮮やかさが夜空の深い紺を引き立ててる。
 あとは2点ほどあったドニの絵がちょっと印象に残った。そして作家ストリントベリの絵もあったけど、小説が情けない感じなのに比べて絵はマッチョっぽい感じ。もっともそんな迫力はないんだけど。


晩ご飯は豚汁